For life(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

世間はクリスマスイヴで


車は混んでいたけれど、バイクの利を生かして


わりと早くホテルに着いた。



鼻をすすって、ずんずんとホテルの中に入って行く。



千睦流の作品展は一番大きな宴会場で行われていて


着物姿の客がたくさんいる中


いつものようにジーンズにライダースジャケットを着た拓馬は


かなり異様な雰囲気で。



受付でチケットを提示すると、ものすごく怪しい目で見られてしまった。



その時初めて


自分がこの場にそぐわない恰好をしてきてしまったことに気づく。



それでも


堂々と会場内に入って行く。



舞台横のスペースでは


ヴァイオリンとフルートのアンサンブル演奏が繰り広げられていて


その華やかな雰囲気を盛り上げていた。




たくさんの作品には小さなプレートがついていて、制作者の名が記されている。



拓馬は足早に人ごみをかき分けるように、『それ』を探す。




そして



会場の真ん中の一番大きなスペースに


ひときわ大きな作品を見つけた。




あ・・・・・・




拓馬はそれを一目見たとたん


足がひとりでに止まってしまった。




真冬なのに



白い可憐な花を咲かせる梅の木が。



決して派手ではなく


むしろ他の花たちに比べて地味なのに



その大きさと枝の流れの美しさから目が離せない。



拓馬はそれを仁王立ちで見上げたまま動けなかった。





千崎はたくさんの客の中でひときわ目立つ拓馬に気付いた。



あの梅の作品の前で動かずにジッと見つめる彼を。




「本日はお忙しいところをありがとうございました、」


詩織は招待客ひとりひとりに母と共に挨拶に忙しかった。


「本当にお嬢さんもご立派になられて。 お家元も安心ですわね、」


「ありがとうございます、」


母も娘とこうして作品展を造り上げられたことを喜んでいた。



その時、背後から千崎が詩織に声を掛けた。


「・・・え・・?」


ひとこと耳打ちをされた言葉に


詩織は驚いた。




作品展へと足を運んだ拓馬。 そしてとある作品の前で目が釘付けになり…



人気ブログランキングへ

↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。