For life(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「それはお父ちゃんもあんたの頑張りを認めてくれたんじゃないの?」


母は拓馬にお茶と羊羹を持ってきた。



「・・・なんかいきなりおとなしくなっちゃって。 調子狂う、」



そうは言ってみたが


父が元気がなくなってしまったようで寂しい。



「まあ。 退院してきてから家にいる時は床に入ることが多くなってきたから・・・。」


母も父が弱ってきたことを認めたくないのだが


現実はやはり厳しく。




「また来週から入院だからね。 一応それが終わったら先生も少し様子をみましょうって言ってくれたけど、」



風がすっかり冷たくなった。


窓の外に風に煽られて飛んできた枯葉が目立つようになった。





静かな白川家に電話がけたたましく鳴った。



「え? ななみ? どうしたの? ・・・え? ほんとう? 」


母の驚いたような声に拓馬が寄ってきた。


「どしたの?」


母は受話器から離れて


「ゆうこがね、なんだか産気づいちゃったみたいなんだって。 ななみが学校から帰ってきたらソファでうずくまってたって・・・」


「え、大変じゃねーか。 おれ車で病院まで連れてくってななみに言って。 お母ちゃんは涼太郎を迎えに行かないと、」


拓馬は時計を見て車のキーを手にした。


「うん、頼むね。」




「ごめんね・・。 なんか朝からおかしかったんだけど、午後になったらちょっと動けなくなって・・・」


車になんとかゆうこを乗せたが、おなかをさすって苦しそうだった。


「まったく、4人も産んでるんだから気をつけろよ・・・。」


「ななみにこころの面倒みれるかしら・・・」


家においてきた二人を心配した。


「だいじょぶだよ。 お母ちゃんが涼太郎を迎えに行ったらすぐに行くって言うから。」


「・・お父ちゃんだって・・寝込んでるのに・・・」


「おれが泊まるから。 あとで幸太郎にも電話しておくよ。」


「・・ありがとう、」




予定日より2週間ほど早かったが、そのまま出産となった。



お産の進みが速くて、もっと早く病院に来ないとダメだと助産師さんに怒られた。



そのとおり


拓馬がそのまま1時間半ほど廊下をウロウロしている間に


なんと産まれてしまった。



「はええな、おい・・・・」



拓馬は慌てて携帯を手にした。



「そう。 早かったんだね。 危なかったねえ・・・。」


志藤家で子供たちの面倒を見ていた母はホッとしたように言った。



「男の子だって。 体重が・・ええっと・・・2800くらいって言ってた。 両方とも元気だから・・・」


「幸太郎ちゃんもびっくりするだろうね、」


「オフクロはそっちに泊まらせてもらえよ。 おれがオヤジの面倒見るから。」


「え? 大丈夫?」


「明日も仕事は午後からだし。 簡単なメシくらい作れる、」



母を安心させるように力強くそう言った。



あっという間に志藤家の5人目の赤ちゃんが誕生しました・・・



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