In a dream(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

詩織と結婚して


友永の家に入るとはどういうことなのか。



今の仕事を続けることは難しいかもしれない。



女だって結婚すれば、相手によって自分の仕事を諦めることだってある。



自分にそのわがままは許されるのか。




拓馬は急に不安になった。




「・・・あいつには・・・なんもねえんだ。 ・・・親の責任なんだから、」



父は布団からくぐもった声でそう言った。




親の責任・・・



拓馬はその言葉を頭の中で反芻した。


意外な言葉だった。




「・・・和馬や・・・ゆうこみたいに。 何の心配もなく学校にやれなかった。 ・・・ウチには財産なんか・・・なんもねえんだから。  あと・・おれがあいつにやれるもんっつったら・・・大工仕事しかねえ。 あいつは・・それで生きてくしかねえと・・思ってた、」



苦しいのかとぎれとぎれに


息をつきながら



父はボソボソと言った。



いつもの威勢のいい怒鳴り声なんか


全くナリを潜めて。




拓馬はノブに掛けた手をするりとおろした。




父があんなにも詩織との結婚に反対する本当の理由が


少しだけわかってしまったから。





「なんだ。 来てたの、」



病室のそばの休憩室でぼうっとしていると母がやって来た。



拓馬は黙って窓の外の景色を見ていた。



「・・・あんな。 責任なんか感じる必要ねえのに、」


そしてぽつりとつぶやいた。


「え、」


「親の責任って・・なんだよ、」



その一言で拓馬が父との病室での会話を聞いていたのだ、と勘のいい母は気づいた。



「・・別に。 勉強しなかったのも、悪さして補導されたりしたのも。 全部おれの責任じゃん。 オヤジからはぶん殴られながらそのたんびに怒られて。 親がやるべきことは・・全部やってくれてたし、」



泣きそうで母に振りかえれなかった。



「・・・お父ちゃんがそんな風に思ってたなんて。 あたしも・・ちょっと意外だったけど、」



母はふっと笑って拓馬の隣に座った。



拓馬は父の本当の気持ちを知ります・・・



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