In a dream(15) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・ごめん・・・・」


拓馬はすごくすごく後味が悪かった。


詩織の頭を優しく包み込むように抱きしめた。



「・・ううん・・・」



男の人は


こういうときもあるんだってことを


つくづく思う。



彼が今


苦しんでいることがわかるから。



何だか彼がどこかに行ってしまいそうで



「・・・はなさないで・・・」


詩織は拓馬にしっかりと抱きついた。



「・・・うん・・」


いつもの優しい彼に戻っていた。





父は抗がん剤治療の副作用で苦しみ


その苦しさで喚いてしまうこともあって、最初は4人部屋の病室だったが


同室の人に迷惑を掛けるので、母が個室に移した。



「そんなもんいらねえ! 持って帰れ!」


何も口にできなくなった父のために母が手作りの茶わん蒸しを作ってきたのだが


苛立つ父は手で振り払って落としてしまった。


茶碗が割れる音がして


母はそれを黙って片付けた。


「少しは食べないと、」


落ち着いて床を拭く母に


「どうせ吐いちまうんだ! 苦しいだけだ!」


もう当たり散らすしかできない。



拓馬は病室のノブにそっと手を掛けて少しだけドアを開けた。



すると



「・・・・もう・・拓馬にも来させるな、」


父はつぶやくように言った。



「え、」


母も、そして病室の外に居た拓馬もハッとした。



「仕事の話も・・・もういい。 あいつひとりでできるんだから・・・・。」



「まだ不安なんだよ、」


「もう何年おれについてやってんだ・・・・。 いいかげんひとりでやれって言っとけ、 もうじゅうぶん・・・あいつには教えてきたんだから・・・・」



父は苦しそうに布団にもぐりこんだ。



拓馬はそのまま動けなくなってしまった。




父は苦しい治療に大荒れです。 そして拓馬は父が自分のことを話す場面に遭遇してしまいます・・・



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