In a dream(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・ウソだろ・・・」



母とゆうこは父に気づかれぬように、志藤家に和馬と拓馬を呼び、そして志藤も交えて


全てを話した。



二人は一様に信じられないといった表情だった。



「・・・お父ちゃんには。 絶対に言っちゃダメだよ。 膵炎で入院することになったってことになっているから。 あんたたちもそのつもりでね、」



母はやっぱりしっかりとそう言った。



「・・あんなに・・・元気なのに。 なんかの間違いなんじゃないか、」


和馬もまだ現実を受け入れられなかった。



「少しでも長く・・お父ちゃんには生きて、人生を全うしてもらう。」



「お義母さんが・・そう言うんやったら。」



志藤も沈痛の面持ちで言った。



「ありがとう。 ゆうこも・・・あんたができることは元気な赤ん坊を産むことだよ。 母親がいつまでもメソメソしてたらおなかの赤ん坊にもよくないよ。 子供たちにも・・・。 しっかりしないと、」



一番辛いはずなのに


母は逆にゆうこを励ました。



ゆうこはもう泣きっぱなしで目が真っ赤だった。



しかし。


誰よりもショックを受けていたのは


拓馬だった。




あのオヤジが。



そう思うだけで


どうしようもなく慌てふためく自分。


信じたくない気持ちで心が埋め尽くされて





『おれの目が黒いうちは絶対に許さねえからな!!』




あの父の怒鳴り声が頭の中を何べんも行ったり来たりした。



拓馬はガバっと両手で頭を抱えてしまった。



「拓馬・・・」



みんなは一様に彼の気持ちを思う。



「・・・ジョーダンじゃねえよ・・・・。 おれ・・まだ・・・ぜんっぜん・・・オヤジの足元にも・・・及ばないってのに!! なんだよ、あと半年って! まだ教えてもらうことも・・たくさんあるのに! ・・おれ・・・親不幸ばっかして!!」



誰に怒りをぶつけていいのかわからず


それでも気持ちが昂ぶって抑えきれない。



涙がどんどん溢れて


テーブルに突っ伏して泣いてしまった。



そんな弟に



「バカ! おまえがそんなんでどーすんだっ!! お母ちゃんだって・・・ほんとは泣きたいんだ! おれたちができることはなあ・・・オヤジにできるだけのことをしてやるだけだ。 もうそれっきゃねーだろ!」


和馬も声を震わせて彼の頭をペシっと叩いた。



「・・そうだよ。 拓馬はお父ちゃんの仕事を立派にやり遂げて。 安心させてやりな。」


母も鼻をすすりながら、それでも笑顔でそう言った。



みんながそれぞれの覚悟をした中



拓馬だけがもうどうしていいかわからず、


戸惑うだけだった。


 

拓馬は衝撃の事実を告げられます・・・父といちばん関わってきた彼にはとても受け入れられない現実でした・・



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