In a dream(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「まったく。 待たせやがって。 だから医者なんてところはロクでもねえトコなんだ。」


なんとかゆうこが自分の定期健診の日に父を総合病院まで連れて行って検査をしてもらった。



「たまにはちゃーんと調べてもらった方がいいわよ・・・。 この年になったらかかりつけのお医者さんも必要なんだから。 お酒だってたいがいにしないと。 呑みすぎよ、」


ゆうこは父の検査に付き添った。


「もう帰っていいんだろ? おまえの診察はまだなのか、」


「あたしは2時からだから。 会計は済ませたからもういいんじゃない?」


「まったく。 よけいに具合が悪くなる、」


父はブツブツ言いながら先に病院をあとにした。



ゆうこが産婦人科の方に移動しようとした時



「白川さん、」


後ろから声をかけられた。



先ほど父の検査を担当してくれた医師だった。


「あの。 ちょっとお時間よろしいですか。」


「え? あ・・ハイ。」


時計を見ながら頷いた。



ゆうこは内科の説明室に通された。


そこには先ほど撮った父のレントゲン写真があった。



「・・・まだはっきりしたことはわからないのですが。 この背骨の辺りを見てください、」


医師が指で示した部分をゆうこは身を乗り出して見た。



「・・・いくつも白い斑点のようなものが見えるでしょう。 骨盤の方にも見えます。」


「・・ええ・・・」


「・・お父さんが腰を痛がっていた・・というのは。 ひょっとしたら・・・『腫瘍』によるものかもしれません。」


「え・・・」


ハッと目を見開いた。



「『腫瘍』って・・・」



「私の予測ですが。 ・・・ガン、ということです。」



ゆうこは瞬きをするのも忘れてしまったかのように


そのまま固まってしまった。



「どこかにガンの源発があって。 骨に転移をしているように見えます。 たぶん最初に診てもらった整形外科のレントゲンでも目視でそれが確認できたんでしょう。 それで精密検査を受けるように指示されたんだと思います・・・。」



「・・・・ガン・・・」


小さくつぶやいた。



「どこに発生したガンかは・・・今日の検査の結果で詳しいことはわかると思います。 しかし・・・骨にここまで転移しているとなると・・・かなり進んだものではないかと考えられます、」



もう医師の言葉が遠くに聞こえるようで


ゆうこはそこからの記憶があやふやだった。




自分の診察も心ここにあらずの状態ですませて、ゆうこはもうどうしていいかわからずに母に電話をした。



「え、ゆうこ? お父ちゃんならさっき帰ってきてここにいるけど・・・・」



言葉が出てこない。



携帯をぎゅっと握り締めた。



「・・・お父ちゃんに・・・悟られないように・・・聞いて。」


「え?」


「・・・先生が・・・ガンかもしれないって。」


電話の向こうの母が


凍りついたのがわかった。



「詳しい検査結果がでるのは・・・あさってなんだけど・・・。 腰が痛いのは骨にたくさん・・ガンが転移をしていて・・・・。  かなり進んでいるだろうって・・・・」



声が震えてしまった。


思いもかけない父のがん宣告。 ゆうこは気が動転します・・・





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