In a dream(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「で。 どうだったの、」


母は父の診察結果が気になった。


「レントゲンだなんだって撮らされてよ。 んで、念のために総合病院でも調べてもらえとか言って。 紹介状までくれちまって、」


父はおもしろくなさそうに封筒を卓袱台に放り投げた。


「ただの腰痛じゃないの?」


「電気あてたりとかマッサージはしたんだけどよ。 治りゃしねえ。 やっぱりあいつはヤブだ、」


父は腰を摩りながら座った。


「でもせっかく紹介状までくれたんだから。 行ってきなさいよ、」


「別になにも言われなかったんだからたいしたことねえんだろ。 もうめんどくせえ、」



父は昔から医者嫌いで40℃近い高熱にうなされても医者に掛かりたくないとわがままを言って


もう少し放っておいたら肺炎になるところまでいったこともあった。



「診てもらえって言われたんだから。 ちゃんと行かねえとダメだろうが、」


拓馬はそんな父にイラついて、つい声をあらげた。


父はキッと彼を見返して


「うるせえ! おまえの知ったこっちゃねえだろう!」


不満を思いっきりぶつけるように怒鳴った。



「もう年なんだからいいかげんにしろよ! その年になったらなあ、普通は健康診断のひとつでも毎年受けるもんだろが! いつまでも丈夫でいられると思ったら大間違いだ!」


拓馬もいつもの調子で父に食らいつく。



「だからおめえに言われる筋合いはねえ! だいたい家を出てったんだろうが! 自分勝手にしたいヤツはもう戻ってくるな!」



「なんだと・・・・」


二人は立ち上がって、一発触発状態となり


「だから! もうやめなって! お父ちゃんも腰が痛いんだから・・・・・。」


母が間に入って諌めた。



「・・・・とにかく。 ちゃんと医者に行けよな。」


拓馬は戻ってくるなと言われて、意地になりそのまま帰ろうとした。


障子を開けたところで背を向けながら



「・・・おれは。 彼女と結婚したい。 そのことをオヤジに許してもらうまで。 ここには来る。」



卑怯だけれど


父の目が見れなかった。



その言葉にまた父はカッとなり



「そのことも! もう二度と口にするな!!! おれの目が黒いうちは、絶対に許さねえからなっ!!!!」



ことさら大きな声で怒鳴った。



全くもって父の気持ちに変化はなかった。


この先いくら説得しても、絶対にわかってもらえないんじゃないかとの


絶望的な気持ちに苛まれた。





「しょうがないわねえ。 じゃああたしが来週の定期健診のときに連れて行くわ、」


白川家に立ち寄ったゆうこは母から父のことをききため息をついた。


「ゆうこが産婦人科でかかってる病院でよかったよ。 悪いけど頼むね。 こころはウチで預かるから。」


母も父の頑固さにほとほと困り果てていた。



「それで・・・。 彼女とのことはどうなの、」


ゆうこは一番気になることを聞いた。


「お父ちゃんは相変わらず。 もう拓馬は彼女と結婚するって言い張って。」


「まさか・・駆け落ちなんかしないよね、」


心配性のゆうこはよもやを考えてしまった。



「それはないよ。 だって向こうのお母さんは何だか知らないけど拓馬でもOKだって言ってくれてるんだもん。 ほんと懐の大きい人なんだねえ、」



母は洗濯物を干すために縁側から庭に出た。



もう夏の日差しが降り注ぐようになった。



父の気持ちは相変わらず揺らぐことがありません。 彼女との幸せな生活しか見えていなかった拓馬はこの後衝撃の展開となってしまいます・・・



人気ブログランキングへ

↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。