Love for the future(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・じゃあ。 結婚を前提につきあいたいって・・・いうってこと?」


和馬は母の言葉をそう理解した。



「・・・そうなんだろ?」


母は拓馬に問いかけた。



拓馬は和馬に借りたスーツを試着しながら背を向けて



「・・うん、」



と、小さいけれどはっきりした声でそう言った。



「・・んなもん! 無理だろ。 だって相手は将来は日本でも有名な華道のお家元になる人だろ??? おまえなんかと一緒になれるわけがない、」



和馬は驚いて、そしてまっとうな意見を言った。



「それに、むこうは一人娘なんだから。 嫁にもらうわけにもいかない、」



母は落ち着いてお茶をグイっと呑んだ。



「・・え? なに? 婿養子????」



和馬はまたもこの展開に声が裏返りそうになった。



「ま。 向こうが承知すればの話。 ハナっから断られるかもしれないし、それは拓馬と詩織さんの気持ち次第だね。」



「って、落ち着いちゃって! いいのかよ!」


和馬は一人慌てていた。



「いいもなにも。 拓馬が覚悟を決めたんなら、あたしは反対はしないよ。」



「・・お母ちゃん・・・・」



拓馬は何も言わなくても全て自分の気持ちをわかってくれている母に驚きながらも


胸にジンときてしまった。



「お父ちゃんがどんなに反対しても。 あんたの人生だろ。 惚れた腫れただけで一緒になったら、二人とも不幸になる。 そのことだってもちろん考え抜いたことだろ。 拓馬は勉強は全然できなかったけど、そんな浅はかなことはしないって・・・あたしは信じてる。」




「・・結婚は。 本人だけが一緒になればいいわけじゃないだろう。 家と家が繋がることだ。 いくら本人たちが好きで一緒になりたいっていったって。」


和馬は拓馬とは性格は正反対で


慎重で真面目で


長男らしいしっかりとした考えの持ち主で


彼の言うことは最もだった。



「・・だいたい。 お父ちゃんも大反対してんだろ? 勝手にそんなこと・・・・」



拓馬は二人の前にスッと座った。



「・・・何度も考えたんだけど。 おれ・・・もう彼女以上の人に巡り会えないんじゃないかと思う。 こんなにも気持ちがわかりあえる人には・・・もう会えないんじゃないかと思う。 真剣に彼女とつきあいたい。 真剣に付き合うということは・・・将来のことも考えないといけないと思った。 お父ちゃんやお母ちゃんや・・・和馬にも迷惑をかけるかもしれない。 でも・・・、」



珍しく神妙にうなだれた。



「この前、相手の・・詩織さんがウチに来た時に。 あたしはピンときてた。 ああ、この子も本気なんだなって。 そんな家柄のいいお嬢さんなんて思えないほど、素直ないい子だった。 拓馬のことも本当に好きでいてくれているんだって・・わかったし。 あたしらのことはねえ、どうでもいいんだよ。 あたしは拓馬が幸せになってくれたらそれでいい。 きっとお父ちゃんだって本音はそうに決まってる、」



ばかやろう。


そんなこと・・・いきなり言って。



泣けてくるじゃんか・・・



拓馬はグッとくる気持ちを抑えながら


「・・・・これ。 ちっちぇえんだけど、」


和馬に言った。


「あ?」


「こうやってしゃがむと。 ケツ破けそう・・・」


和馬よりも身長が8cmも高く、ガタイもいい拓馬には兄のスーツは少々小さかった・・・



「あーあ。 どうする? 幸太郎ちゃんに借りる? それとも思い切って買う?」


母はまたも暢気にせんべいを食べながら言った。



「なんっかもう・・・緊張感ねえなあ・・・」


和馬は白川家の一大事のようなことなのに


まるっきりなこの二人にあきれ果ててしまった。




母も拓馬の真剣な気持ちに気づいていて、『覚悟』をしているようでした・・・




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