Let me have a dream(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

拓馬を母や祖母に正式に会わせる前に


詩織はきちんと自分の気持ちを話しておかなくてはならないと思った。



久しぶりに3人揃っての夕食だった。


チャンスだと思い


「・・あの、今度の日曜日なんだけれど、」


詩織は母に言った。


「え? ああ。 家にいて欲しいって言ってたけど。 なにがあるの?」


母は箸を置いて詩織に向いた。


「・・・私。 今・・・おつきあいしている方がいます。 その方がいらっしゃいます、」


落ち着かせるように一息置いてから思い切って切り出した。


「え・・」


それには母も祖母も驚いた。



「白川・・拓馬さんです。 家の工事でいらしている・・・棟梁の息子さんの。」



名前だけを言っても母はわからないのではないかと思い説明をしてしまった。



「・・・・・・」


母は驚き、そして祖母はジッと詩織を見つめているだけだった。



「とても・・素晴らしい方です。 ただ・・・私たちがつきあうことを彼のお父さまは反対されています。 彼がどうしてもお母さまとおばあさまに交際を許していただきたいから・・って。」


少し恥ずかしくなってだんだん声が小さくなってしまった。



「・・あの人と、」


母は小さな声でつぶやいた。



「見かけは怖そうな人ですけど。 本当に優しくて・・・真面目な人です。 自分の仕事にも誇りを持っていて、私がびっくりするくらいの感性を持っていて。 ・・実はこの前のお休みのときに彼のおうちに行かせていただいて、お母さまにもお会いしてきました、」



また二人はハッとした。



「・・私が思ったとおり。 すばらしいお母さまでした。 きちんと私の母と祖母に許しをもらうようにと筋を通すように言ってくださって。 私は・・・堂々と拓馬さんとお付き合いをしたいと思っています、」



子供のころから親に反抗するなんてことは一度もなく


素直で真っ直ぐに育ってきた詩織だったが


こんなにも自分の意思をはっきりと示す彼女を母は初めて見た気がした。



母が黙ったままだったので



「お母さまも・・・反対ですか、」



怖くなって詩織は先に聞いてしまった。



すると



「・・反対かどうかは。 白川さんがウチにいらして・・・そのお気持ちを聞いてから。 あなたたちは大人ですから、どういう人とお付き合いするかどうかについては、私が口出しをすることではないと思っています。 ただ・・・今言えることは。 私はあなたを信じています。 それだけです、」



最初は厳しい口調だった母だったが


最後は少しだけ微笑んでいた。



「おかあさま、」


これまでも家元の跡取りとしての教育は厳しかったものの、自分がやりたいことをやらせてくれて。


母には感謝をすることばかりだった。




詩織は祖母に付き添って部屋まで行った。


さっきからずっと黙ったままの祖母に


「・・おばあちゃまは・・・どう思う?」


ベッドを整えながら聞いた。


「・・・ああ。 なんだかそんな気がしていたから、」


祖母はゆっくりとイスに腰掛けて笑った。


「え、」


驚いて振り返る。


「なんとなく・・・あなたたちが二人でいるところを見て。 すごく・・・・お互いを思い合っているなあって。 前から感じていたから。」


「おばあちゃま・・・」


意外な言葉だった。



詩織は母と祖母に拓馬のことを告げます。 祖母は二人の様子に何となく気づいていたようですが・・・



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