Let me have a dream(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「拓馬くんが急にウチの仕事に来なくなったのも・・・。 そのことが原因だったのね。」


祖母はゆったりとした口調でそう言った。



「・・彼のお父さまが・・・。 もうウチの仕事をさせない、と言ったらしくて。」


詩織は沈んだように言った。



「職人らしい筋が通った方ね・・・。 そして・・・きちんとわかっていらっしゃる、」


祖母は椅子の背もたれに身体を預けた。



「わかっているって、」



「軽い気持ちであなたとおつきあするということはいけないことだと思ったのでしょう。 その後・・・どうなってしまうのかも、きちんと考えているのでしょう、」



正直


これからのことはあまり考えたくなかった。



今は彼のことが好きで


一緒にいたくて



きちんとした交際をしたい、と思うだけで。



自分が男性と軽率な交際をすることが


やはり許されないことだということは、こうして育てられる中で何となく感じていたことだった。



きちんとした男性と


ちゃんとした道筋を経て交際をすることが望ましいと母も思っていたに違いない。



それは自分にとっても相手にとっても不幸になることがないようにするためだ。



こうして拓馬との交際を母と祖母に宣言をすることは



『それなり』の覚悟をしなくてはならない。



「やはり。 難しいでしょうか・・・私たちがおつきあいをすることは・・・・」


何だか弱気になってしまった。



「・・・喜和子も私もあなたに幸せになってほしい気持ちは同じ・・・。 できれば好きな人と一緒になってほしい。 まだおつきあいをはじめたばかりでしょうけれど・・・。 きちんと考えないとね。」



祖母は賛成も反対もしない言葉をかけた。



「でも。」



そしてすぐに続けた。



「私は・・・拓馬くんの素晴らしさがわかるわ。 あなたが好きになって・・・当然の人だと思いますよ、」



「おばあちゃま・・・・」



詩織はいろいろ不安になることがあっても


この祖母のひとことで少し勇気がわいた。



「そっか、」


拓馬は詩織から話を聞いて少しほっとした。


いきなり反対されると思っていたので、会ってもらえることだけでありがたいと思った。



「・・拓馬さんのお父さまのことも・・気になります、」


詩織はずっとそのことが気がかりだった。


「オヤジのことはおれが責任を持って説得する。 ・・時間はかかるかもしれないけれど、」



いつのまにか


彼女とつきあいたい、とだけ思っていた気持ちが


もう自分の生涯で彼女以上の女性に出会えるだろうか、との気持ちに変わっていた。



生涯を共にする女性なんか


自分に現れるんだろうかと思っていたけれど



運命って


本当によくできている



そう思わずにはいられなかった。


これからどうなるのか拓馬も詩織も不安がないわけではないですが、今はただ二人でいることを選びたくて・・




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