Let me have a dream(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「え、拓馬さんのおうちに?」


電話でその話を聞いた詩織は驚いた。


「うん。 オヤジは旅行でいないらしい。 オフクロがしーちゃんに会いたいって言うから。」


拓馬は電話をしながら煙草に火をつけた。


「・・でも、」


戸惑うような彼女に


「オフクロはけっこう話わかるから。 まあ、とにかく呑気なおばちゃんだから。 気を張ることもない。」


優しくそう言った。


「・・お父様さまがいらっしゃらない時にっていうのが・・なんだか。」


隠れてコソコソしているようで気が引けた。



「・・・オヤジはなかなか話してすぐにわかるような人じゃないから。 ・・おれもオフクロにはしーちゃんを紹介したいとホントは思ってたから。」



そんな風に言われて


詩織は心が躍った。




拓馬はそのあと『こまち』に行った。


実家で父と鉢合わせするのがイヤで夕飯を一緒に食べなくなり、ここに来ることが多くなった。


「あれっ・・・」


「よ。」


先客で志藤が普通に夕食を採っていたので驚いた。



「なんだよ。 ここでメシかよ。 なんかもうすっかり浅草も板についちゃったな~」


拓馬は彼の隣に座った。


「今、ゆうこ具合悪いやろ? おれのメシの世話まで大変やから、たまにここで食っていく。」


「あー、そうなんだ・・・。 おれ、ビールと・・・煮込みね。」


拓馬は楓に言った。


「ゆうこもたいへんだねえ。 5人目だもんね。 もー、幸太郎ちゃん頑張っちゃうから~~、」


楓は拓馬にビールを注ぎながら笑った。



「もう4人も5人も一緒や。 たまに子供らが白川の家行っちゃっていないと、静か過ぎて逆に落ち着かへん。」


「まあ。 子供はなんだかんだいっても。 かわいいからなァ。」


拓馬はぐいっとビールを飲んだ。



「ところで。 あんたはどーなの? そのお家元のお嬢さまとは。」


楓はにんまりと笑った。



「あ????」


拓馬は楓にその話をしたわけでもなんでもなかったので、一瞬呆気に取られた。


そして、志藤をジロっと睨んだ。


志藤は慌ててぶんぶんと首を振った。


「だって。 おばちゃんがここ来てウチのお母ちゃんにしゃべっていったもん。」




・・・・あのクソババア・・・・



拓馬は母の優しさに絆された自分が腹立たしかった。



「ったく! なんで黙ってらんねーかな! あの人はっ!!」


乱暴にグラスを置いた。


「まあまあ。 おばちゃんも心配してたよー。 拓馬とお父ちゃんがまたケンカしちゃって口もきかないって。 そりゃあねえ。 心配もするって。 あたしはお花の世界とかよくわかんないけど。 ああいう継承していかなくちゃいけないところって、あたしたちが理解できないことたくさんあると思うよ、」


楓は煮込みに七味をぱらぱらと降りかけて拓馬の前に差し出した。


「・・・別に。 つきあうってだけなのに。 あんなに怒る意味もわかんねえ、」


拓馬は父に対する不満をちょっと漏らしてしまった。



「バカだねえ。 相手はまだまだ若いかもしれないけど、あんたは36でしょ。 つきあうったって結婚を前提に、に決まってるじゃない。 ねえ、」


楓は志藤に同意を求めた。


「・・・まあでも。 年は関係ないやん。 結婚したい時がする時やん。 そんなん人によってそれぞれやし、」


志藤は拓馬を擁護した。


「んじゃあ。 遊びなの?」


楓は少し悔しくなってそう言った。


「遊びなわけねーだろ。」


食い気味に反論した。


「むじゅ~~ん。 真剣に考えれば考えるほど。 このままつきあってたら大変なことになるじゃん。」



悔しいが


楓の言うことは


正しかった・・・



楓にいつもグウの音が出ないほど言いくるめられてますが・・・



こんなところで今年のアップは終了でーす。



この先、拓馬と詩織の『許されない恋』はどうなるのか??


来年もよろしくお願いします!(^O^)/





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