Let me have a dream(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

あれから父は拓馬と全く口をきかなかった。


拓馬は友人の紹介で別の現場に出ることになり、白川家でも二人はすれ違いが続いた。




ゆうこは涼太郎を朝幼稚園に送っていったあと実家に寄った。


このころは5人目の子供の妊娠がわかり、体調がすぐれず午前中はこころを預かってもらい実家でゆっくりすることが増えた。


「ごめんね。 拓馬が黙ってて欲しいって言うから・・・。 お父ちゃんとお母ちゃんが心配することわかってて・・・」


「いや、それはいいんだけど。 もう二人ともぜんっぜん口もきかないでさ。 こっちがやんなっちゃう、」


母は一緒に来たこころにジュースを持ってきた。


「なんだかねえ。 あたしもなんも言えなくて。」


そして自分の膝の上にこころを座らせた。



「・・あたしも言いたいことはたくさんあったけど。 拓馬・・・本気みたいだったから。 それにもういい年なんだからあたしたちの言いたいことも全部わかってると思う。 いまさら言われたくもないんじゃないか、とか。」



ゆうこはお茶を口にした。



母も同じように拓馬の真剣さはもちろんわかっていた。


このままつきあいを続けていけば


近い将来、『結婚』の二文字は必ずつきまとうことになる。


母親の直感として


今回はおそらくそこまでいくのではないか、と思っていた。



「どういうお嬢さんなの? ゆうこは会ってるんでしょう?」


「挨拶をしただけなんだけど。 まあ・・本当にお嬢さんって感じで。 うん、かわいい人だった。」



母はじっと考え込んでしまった。





拓馬は夕飯にも実家に寄らなくなった。


しかしこの日はバイクの音が聞こえて、母は家の外に出てきた。



「おかえり、」


拓馬を出迎えた。


「・・ただいま。」


ヘルメットを取ってバイクのハンドルに引っ掛けた。



「今度のお休みに。 彼女・・・連れてきなさいよ。」


母は徐にそう言った。



「は???」



「あたしも会ってみたいし。」


あっさり言ってくれてるが。


「何言ってんだよ・・・オヤジもいるんだろ。」


「今度の土日。 お父ちゃん、町会の一泊旅行で留守だから。 どうせそんなこと言ったらまた怒り狂って大変だからね。 いない隙にさあ、」


いつもの調子で明るくそう言った。



「でも・・・」



拓馬はためらった。


しかし母は


「あたしに紹介もできない人なの? あんたはそういう人とつきあっているの?」


急に真面目な顔になってそう言った。



「お母ちゃん・・・」



「まあ、あんたにはね。 どんだけ悩まされたか。 中学、高校のころはいったいこの子はどうなっちゃうんだろうって毎日思ってた。 何とか大人になったと思ったら、結婚もしないでいまだにフラフラして。 でも。 あたしはあんたって人間はちゃんと人を見る目はあるって信じてる。 今まで一回も彼女なんか紹介してもらったことないけど、今の彼女はそういう人たちとは違うと思ってる。」



拓馬は少し考えたあと



「・・わかった。 聞いてみる。」



少しだけ笑顔を見せた。





彼女とつきあうことに後ろめたさを感じて、隠れるようにしてつきあっていたことを恥じた。


いつの間にか彼女をそんな風にしていた自分を。



父が頑なに反対する中、母は詩織に会いたい、と言い出しますが・・



人気ブログランキングへ


↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。