Surely(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼が淹れてきてくれたコーヒーカップも和風でセンスが良かった。


「これもステキですね。」


詩織がつくづく言うと


「これはオフクロが勝手に買ってきたんだよ、」


「お母さまが、」


「あの人もこういうの好きだから、」


「・・きっとご実家の方もステキなんでしょうね・・。 拓馬さんのセンスはお母さまの遺伝なのね、」


詩織はクスっと笑った。




ステキ・・・



拓馬は実家の騒々しい様子を思い浮かべて、全くそうでないことに落胆したものの


母のセンスを褒められるのも少し嬉しかった。



「一人暮らしの男の人なのに・・本当にすごく整頓されてて。 実はもっと散らかしているんじゃないかと思ってました、」


「え。 そうかな。 これでもちょっと雑然としてるよ・・・。」


洗濯物のタオルやシャツもきちんと畳まれているし、CDやDVDも整頓されている。



「ご両親がきちんとされているんですね・・・・」


「え! も・・ぜんっぜん! オヤジなんかあの通りうるせーだけだし。 オフクロも寝るまでしゃべくりまくってるし。 今は兄貴も妹も出て行って静かだけど、ほんっとうるさいとしか言い様がない家だった、」


「でも。 楽しそう。 私も兄弟が欲しかったなって。 一人っ子はやっぱり寂しいです、」


「ま。 兄妹の中でもうるせーのはおれだけで。 兄貴と妹は真面目だったしな。」


「自炊もするんですか、」


「まあ・・朝飯はメシを炊いたりとかはしてる。 夜は結局実家で食べちゃうけど、」


「朝から和食を作るんですか。 すごい・・・」


「実家ではいつも朝はメシだったから・・・。 なんか食わないと調子でなくて。 味噌汁作って、玉子焼き作って、あとは・・納豆とか、そんなもんだけど。」


「きっと私より上手です。 私もいちおう料理はしますけど・・・母もあまり褒めてくれないし、」


「人間切羽詰れば何でもやるよなって、」


会話が弾んだが、一瞬沈黙が流れた。




今日は


どこまでにすればいいんだろうか。



拓馬は真剣にそんなことを考えていた。



両手でカップを手にして上品にコーヒーを飲んでいる彼女の横顔はたまらなくかわいかった。



思いっきり抱きしめたい!!!



そんな欲望がぐるぐると頭の中を巡った。




しかし。



全く自分を警戒なんかしていない彼女を見ていると。



「メシ、食いに行こうか。」


拓馬は立ち上がった。




近所の人に彼女と一緒のところを見られたりしたら、またうるさい。


拓馬は非常に警戒しながら店を選んだ。



地下鉄の浅草駅の近くに新しくイタリアンレストランができたことを前に聞いて


あまり近所の人間に会うことはない、と思ってそこに決めた。




それでも


やっぱりどこかに人の目があるもので。



日曜だったので、志藤はひなたとななみを連れて買い物に出てきていた。



「なんか風が冷たくなってきたな。 ななみ、だいじょぶか。」


薄着で出てきてしまったので心配した。


「うん、へいき。」


「ちょっとお。 ひなたもしんぱいしてよ~、」


「わかったわかった。 ひなたもさむないか?」


「ついでっぽーい・・・」



その時、


「あ・・たーくんだ。」


ひなたが立ち止まった。


「え、」


志藤がその方向を見ると、花屋の前にいる拓馬に気づいた。


「あ、ほんとだ。 たー・・・・」


ななみが思わず呼ぼうとしたとき、志藤は女性連れなのに気づき


ななみの口を押さえてしまった。


やっぱり『人の目』がありました(^_^;) しかも思いっきり身内だし・・・



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