Surely(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「待ってたんだ、」


拓馬は優しい笑顔でそう言った。


詩織は少し驚いたような表情で傘の柄を持つ手に力が入る。




「『しーちゃん』を、」




タバコを消してポケットにあった簡易灰皿に押し込んだ。



「えっ・・・」



ドキドキしてその手が小さく震えてしまった。



「今度の休みは、いつ?」


急に会話の方向が変ったので、


「えっ、」


同じ声で驚いてしまった。



「・・今度の日曜は・・お休みですけど、」


「どこか。 出かけない? 天気も良さそうだし、」



本当に普通に、自然に拓馬は言った。




「・・あ・・はい。」


そして自然に、あっけなく頷いた。



「じゃあ。 また連絡するから。」


それだけ言って拓馬は帰ってしまった。



詩織はその後もそこにずっと佇んでしまった。





誘われた・・・





だんだんと胸の鼓動が速くなる。


そして嬉しさがじわじわと湧き上がって。


自然と顔が綻んでしまった。




誘ってはみたものの。


昼間に出かけるとなると


やっぱ車は必要だよな・・・



拓馬は自宅に戻り、うーんと考え込んだ。


しかし


ウチの車なんか仕事用の軽トラだし。


あんな車に彼女乗せられないし。



レンタカーって手もあるけど


『わ』ナンバーなんかで行ったら引かれちゃうよなあ。


友達に借りるか・・・




ごろんとベッドに横になった。





でも。





拓馬は少し冷静になって彼女とのこれからを思う。



どうせ


おれなんか相手にされなくても当然だし。


出かけることOKしてもらっただけでもありがたい。


カッコつけて


取り繕ったって


なんも残らない。






「めずらし。 車なんか洗ったことないのに、」



この日は友永邸で総会があるということで、工事は休みになった。


拓馬は実家にやってきて仕事用の軽トラを丁寧に洗った。


座席もきれいに拭いて、フロントガラスも窓もピカピカに磨いた。


母はそんな風に息子をからかった。



「明日。 車借りるよ。」


庭でハッピーの相手をする父に言うと


「ああ、」


ぶっきらぼうに返事をされた。




とうとう拓馬は詩織を『デート』に誘ってしまいます・・・



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