Surely(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

友永邸の工事は順調に進んでいた。



「わー。 ほんとのほんとに満開になったなァ、」


拓馬は庭の桜の木を見上げた。



「やっぱり切らないでよかったね。 見事だもんね、この枝っぷりは。」


そこにいた詩織の祖母・八重に笑いかけた。


「ねえ、そうでしょう? 前から切らないとって思いはしても、こうして花が咲くとね・・・切れないわよねえ、」


八重もまぶしそうにそれを見上げた。



そこに詩織が祖母にお茶を淹れてきた。



「ねえ、しーちゃん。 見事に咲いたわよ、」


振り返って彼女に言った。


「本当。 何もしなくても毎年きちんと咲いてくれて。 掃除も大変だけれど、このキレイさを見ると忘れてしまいますね、」


詩織も縁側に座って花を見た。



拓馬がクスクスと笑っているので、


「え、なんですか?」


詩織は気になって彼に尋ねた。


「『しーちゃん』って。 かわいいね。」


祖母の自分への呼び名を指摘されて



「は・・???」


詩織は目をぱちくりさせた。


「・・幼稚園の子みたい、」


拓馬はさらにそう言ってからかった。



「もー・・・・。 からかわないでください。 小さい頃からこう呼ばれてて・・・」


赤くなるのもかわいかった。


「そうそう。 ほんとにしーちゃんはかわいくてねえ。 どこに行ってもお人形さんみたいって、」


祖母は気にせず嬉しそうにそう言った。



そのころの彼女の様子も目に浮かぶようで。



詩織は縁側からサンダルを履いて庭に下りた。



そのとき風がさーっと吹いて、花びらが散った。


詩織の髪にいくつもついた花びらを拓馬は笑いながら優しく取ってやった。


詩織は彼を嬉しそうに見上げる。




二人のそんな後姿を祖母は穏やかに見守っていた。




やっぱり


もっともっと彼女といたいって思ってしまう。


近づいてはいけない、と思いながらも


気持ちが止まらない。







この日は夕方から雨になり、仕事が早く終わってしまった。


拓馬は友永邸の外の壁にもたれながら所在無くタバコを吸っていた。




「・・拓馬さん・・・?」


傘をさした詩織が彼に近づいた。



「おかえり、」


ニッコリと笑いかけた。


「どうしたんですか・・。 お仕事はもう終わったんですか、」


「うん。 雨が強くなってきたから4時くらいに上がって、」


「え、4時?」


詩織は思わず時計を見た。


7時少し前だった。


「なにか・・あったんですか。 もし用なら中で待っていてくださっても・・・。 おばあちゃまもいるし、」



用・・・



拓馬は少し上目遣いで考えた。



「用は・・ないんだけど、」




「え、」


彼女のきょとんとした顔が


すごくかわいい。





そして拓馬は詩織への想いが溢れて・・・



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