Surely(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

とってもこんなこと親に言えない



そう思っていた拓馬だったが



「・・・好きな人は、いるけど。」



つい母に漏らしてしまった。



「つきあってるの?」



「いや。 ぜんぜん。 好きだなあって思うけど。 ・・・んー・・・、」



どこまで話をしていいか迷った。



「・・でも。 たぶんどうにもならない。 別に一人暮らししようと思ったことと関係ないし、」


拓馬は心配そうな母を安心させるように言った。



叶わぬ恋なんだろうか。


36にもなって片思いなんかしちゃって。



実際、母は心配していた。



「その人に、つきあって欲しいって言わないの、」



「・・・ん~~~~~」


全くはっきりしない返答だった。



「しょうがないねえ。 あんたそんなキャラだった?」


母は笑ってしまった。


それにつられて苦笑いをしてしまった。




つきあうだなんて。




そう思いながらも


もう彼女のことを思うだけでいたたまれない自分もいる。



「でも。」


笑っていた母が急に真顔になった。



「あんたもここまで独りだったんだから。 もうつきあう女の人との将来のことまで考えなくちゃいけないけど・・・。自分の気持だけは大事にした方がいいよ。 人生一回きりだもん。 後悔だけはしてほしくない、」



母の気持ちも


痛いほど伝わって来た。





「ああ、お帰りなさい。 ごくろうさま。」


詩織が家に戻ると母が出迎えてくれた。


「創玄先生にもお気に召していただいて、」


「そう。 よかったわ。 先生はあなたの感性がお好きみたいね。」


そう微笑んだあと


「千崎さんは帰られたの?」


お茶を淹れてきてくれた。


「・・はい。 お食事を一緒に採りました、」



その後、少し間があって



「千崎さんのこと、どう思ってる?」


母は彼女の前に腰掛けて改まって聞いた。


「え、」


湯呑みを手にしたまま驚いて顔を上げた。


「・・・・周囲の方たちも。 あなたに千崎さんと・・・・どうかって、」


ちょっと口ごもるように言われて


「どうかって・・・」


わかっていたけれど、わざと聞いてみた。


「・・つまり。 あなたの旦那さんにってこと。」


今度ははっきりそう言われた。



詩織は黙ってうつむいてしまった。



「彼なら申し分ないんじゃないかって。」


さらに言う母に


「・・・お母さまも・・そうした方がいいと思うの?」


何だか他人事みたいに言ってくる母に少しムッとした。


「・・・いづれは・・・あなたにお婿さんを取ってもらって。『千睦流』を継いでもらわないと。 それにはこの世界がわかってくれる人が望ましいと思うの、」



跡継ぎのことを母からはっきりと言われたのは初めてだった。



拓馬は母に意中の人がいることを告げます。 そして詩織は母から縁談の話を持ち出されて・・



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