Surely(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼に触れようとして


『汚れる』


と、言われたことが少しショックだった。



詩織は少しだけ考えて


それに構わず手を伸ばして花びらを取ってやった。



「・・・汚れたりなんかしません、」



そしてまっすぐに彼を見た。



その桜の花びらと同じうすいピンク色の着物に身を包んだ美しい彼女と対照的に


薄汚い作業着姿の自分が


みじめだった。



拓馬はそんな彼女を見ているだけで


胸の鼓動が速くなり


いたたまれなくなるほど


落ち着かず


どうしていいかわからなかった。



「・・私・・・」


彼女がそっと口を開いた時



「詩織さん、もう時間です。」


弟子の男性が呼びかけた。



「あ・・・ハイ、」


返事をすると、拓馬は小さく会釈をしてその場を立ち去った。





「・・・家のリフォームを頼んでいる大工ですか、」


その男は運転席に乗り込みながら、後部座席の詩織に言った。


「・・あ、はい。」


拓馬のことを言われてドキンとした。


「よく話をしているのを見かけます。 あまり関わらないほうがいいんじゃないですか。」


そんな風に言われて


「関わらない方がなんて・・・。」


詩織はムッとした。


「ああいう方たちは。 あまりガラも良くないし、どうかと思うんですが。」



ひどい・・・



あからさまに差別をするように言う彼に怒りがこみ上げる。



「・・白川さんはとてもいい方です。 花や陶芸も好きで、素晴らしい感性を持っている方です。」



ムキになって言い返してしまった。



「お家元も心配されますよ、」


彼はルームミラーで彼女を諌めるように鋭い視線を送った。




心配・・・



何の心配なんだろう。


私が彼に近づくことは


お母さまやおばあちゃまを心配させることなのかしら



街路樹の桜が


家の桜と同じようにちらほらと咲き始めている。



窓の外を流れる景色をぼんやりと見つめた。




詩織もだんだんと拓馬に惹かれていく自分に気づいていますが、自分の立場を思うとなかなか前に進めずにいます・・




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