Dear(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「別に。あたしはなんとも思ってないけど、」


母はこう言うとは思っていた。


本当に能天気で明るくて、細かいことをこの人は気にしないのだ。



「で? いきなりそんなこと言いだして。 結婚する気になったの?」


「・・や・・・。 そーゆーんでもないけど・・・」


逆に気まずくなってまた背を向けた。


「まだ。 一生を共にできる人と出会ってないんじゃないの? 」


母はみかんの白い筋をキレイに取りながら言った。


「へ?」


思わず振り返る。


「それが『縁』じゃない? それがハタチで出会える人もいるし、40になって出会える人もいるし。 人それぞれじゃないの? 和馬だってさ、ああやって自分の初恋の人と『縁』ができたわけで。 ゆうこだってあんな形でもそういう人に巡り合えた。 何事も気張らないで自然体じゃない?」



自然体・・・・



拓馬は思わず宙を見た。



つってもなァ・・・・・



なかなか突き進めない自分がいた。




「ああ、いいね。 こっちの色が。 さりげないけど映える。」


「そうでしょう? 私もこっちのほうがいいって打ち合わせで言ったんです。 みんな地味じゃないかって言うんですけど、」


「わかってないね~~~。 地味こそ映えるときもあるのにね、」



彼女が仕事を終えて帰るのはいつもキチンと6時半だった。


拓馬はその頃には仕事を終えて、何となく片づけをしながら彼女を待ってしまった。


今詩織がかかっている和食のお店に飾る陶器の写真を見せてもらっていた。



「おい、なにしてんだ。 帰るぞ、」


そんな二人の空気をブチ壊すように父の不機嫌そうな声が聴こえた。


「え? ああ・・・。 今行く、」


適当に返事をすると


「おまえ、廃材のくくり、ちゃんとなってなかったぞ! もうちょっとで崩れるトコだった。 ちゃんとやっとけ!」


「え? あれはおれじゃねえよ。 シノさんだろ、」


「おまえが最後にチェックすんだ! つべこべ言うな!」


自分のミスでないことも怒られてカッとなった。


「いちいち上から言うな!」


思わず口応えしてしまった。


すると手の早い父はいきなり自分より背の高い息子の頭をジャンプをしてひっぱたいた。


「いっ・・・・って!!」


「口のきき方に気をつけろ!」



そのやりとりに詩織はもう驚いて目をぱちくりさせていた。



その彼女の様子に気づいて



「・・あ・・ごめんね。 ほんっと・・うっせーオヤジで、」


そう言って荷物を持ってちょっと会釈をして彼女から離れた。



軽トラの運転席につくと助手席に父が乗ってきた。


シートベルトを締めながら


「あんまりなれなれしくするんじゃねえ、」


ボソっとそう言った。


「あ?」


「あそこのお嬢さんと。」


ドキッとした。


彼女が朝、仕事に行く前や今のように仕事を終えて戻って来た時はけっこう話こんでしまう。


それを父は見ていた。



「・・・別に・・・。 彼女、今陶芸を中心としたインテリアなんかの会社に勤めてて。 おれも好きだからいろいろ教えてくれる、」



父の眼を見ずにそう答えた。



父が何かを感じ取っているようで


少し怖かった。



昔堅気の父は拓馬の行動に目を光らせます・・・・



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