Dear(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「おばちゃんが、彼女の一人も連れてきたことないって嘆いてたけど?」


楓はおもしろがってからかった。



「・・・おれはな。 本気で結婚を考えてる女しか親に会わせないんだっ!」


拓馬はビールを手酌でグラスに注いだ。


「拓馬ってマザコンだしね、」


追い打ちを掛けられて、手をピタっと止めた。



「・・・おめーなあ・・・。 めったなこと口にしたらしょーちしねーぞ! 誰がマザコンだ!」


「でもさ。 中学の時とかにつきあってた子は、けっこう・・・・ケバめだったよね。 高校の時もヤンキーみたいな女の子と歩いてるのも見たし。」



悔しいが


それは否めなかった・・・



高校で『人並み』にグレていた拓馬は


彼女も『それなり』の子ばかりで。


絶対に親には紹介できない、みたいな雰囲気の子ばかりだった。


つきあった女の子は片手以上にいたけれど


誰に紹介しても恥ずかしくない、とは


とっても言いきれなかった。




「もう。 親だってさ。 和馬もゆうこも結婚して、孫もいるわけで。 おれのことはどーでもいいじゃんって。 なんか結婚もめんどくせー感じだし、」



「んで。 めんどくさがりだし、」


楓はククっと笑って、小鉢を彼に差し出した。



「だからさ。 そういうことは心にしまえよ。 いちいち言葉にすんなよ!」




あー


ヤダヤダ。


この辺の女は。


デリカシーぜんっぜんないし。



やっぱりあの詩織の上品な雰囲気を思い出してしまった。



彼女のことが好きだな


と思えば思うほど


あまりにかけ離れていることも思い知って


虚しくなる。





「あれ、帰ってたの? ご飯は?」


居間で横になっていた拓馬に母は言った。


「楓ンとこで食ってきた、」


振り向きもせずにテレビを見ながら言った。


「あ、そ。」



沈黙になって


なんとなく言葉がこぼれた。



「・・やっぱ。 おれが結婚しないと心配?」


ゆっくりと母に振り返った。



「は?」


みかんをむいて食べようとしていた母は思わず手を止めた。



「なに、いきなり。」


「や。 36の独身の息子が実家にいたりすると、近所でも噂になってりしてんの?」



大真面目な息子に


母は呆れたあと、吹き出した。



そんなことを母親に聞く自体がマザコン気味っぽい拓馬ですけど・・・



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