Dear(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

育ってきた環境はまるで反対だったのに


不思議に彼女の『感性』が自分にぴったりはまってくるようで


話が尽きることがなかった。



自分の話も本当に真剣に聞いてくれて


一生懸命に頷く彼女は


たまらなくかわいかった。




「今日はありがとうございました。 とても楽しかったです、」


詩織を家の前まで送り届けた。


彼女は折り目正しく姿勢よくお辞儀をした。


「あんなところで・・申し訳なかったけど、」


そんなに丁寧に礼を言われて、気恥ずかしかった。


「いいえ。 そんなことありません。 本当に楽しくて時間を忘れてしまいました、」



もうこのころには


完全に彼女にときめいている自分に気づいていた。



「また。 明日からよろしくお願いします、」


そう言われて


仕事にかこつけて、明日からもまた彼女に会えると思い出し胸が躍った。








「最近全然来ないねってお母ちゃんと話してたんだよ、」


家から歩いて5分ほどのところにある小料理屋に仕事帰りに久々に顔を出した。


「仕事、朝早いから。 忙しいんだよ、」


拓馬はグラスビールをぐいっと一口で飲みほした。



『こまち』


の娘・楓は拓馬の中学までの同級生で、幼なじみで


他に店を持つ母親に代わって今は店を切り盛りしている。



「もちょっとまともなカッコしてった方がいいんじゃないの? そのTシャツ、きたなすぎるよ、」


仕事着のままやってきた拓馬に彼女は言った。


「え? そうか?」


思わず見やった。


「どーせ汚れるからってテキトーなんだから。 今、かかってる所ってすっごいお金持ちのお屋敷なんでしょ? 白川のお父ちゃん言ってたよ、」


ここは父も常連だった。


ちょっとドキンとした。


「・・・まー・・なあ、」


何だかしみじみしてしまった。


少しは近づけたと思った詩織が少し遠ざかった気がして。


「そんなお屋敷に行ってるのに。 家主さんに嫌がられるよ、」


「うっせーな。 金持ちでもな、そういう差別をする人たちじゃねーし。」


詩織や彼女の母や祖母を思い出した。



楓は小さいため息をついた後


「・・・こんなに早くウチに来るところ見ると。 今は彼女もいないみたいね、」


少し笑った。



「えっ・・・・」


思わず胸に手を当てた。



「おばちゃんも心配してたよ。 拓馬はまだ一人でブラブラしてるって、」


「・・バツイチに言われたくねーんだよ、」


拓馬は忌々しそうに彼女を見た。


「一回でもバツつけてごらんよ。 もう36だよっ、」


楓は子供のころから拓馬とはケンカ友達で、寄れば必ず憎まれ口を叩きあう。



36と思いっきり言われて、


詩織とひとまわりも年が違うことを思い出して、また嫌な気持ちになった。



「人間なあ、生きてりゃ年とんだ! おれは心はまだハタチだからなっ!!!」


思いっきり子供っぽい言い返しをした。


何かというと詩織と自分の『違い』を思い知らされてイラつく拓馬でしたが・・


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