Morgen~明日(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

母は


いつもこうしてフラっと現れる。


そして


だいたい酔っぱらっていて、そのまま寝てしまう。



ソファで寝息を立て始めた彼女に毛布をかけてやって、ため息をついた。



水商売しかできなくて。


なんもわからないうちに子供産んで親になって。


結局、子育てなんかできないうちに離婚して。


戻る所はこの世界。




『あたしは誇り持って仕事してた!!』



さっきの南の言葉を思い出す。



・・・なんだ


あの女は・・・。




むしょうに腹立たしかったのは


この母親のことを思い出していたからかもしれない。



勝手におれのことを産んで


産みっぱなしでほったらかし。



大学を卒業した頃からちょくちょく現れるようになって


男に騙されて金持って行かれただとか。


不倫相手の奥さんに乗り込まれて、訴えられそうになったとか。



くっだらないことで泣きつかれ。


ほんと放っておきたいって何度も思ったけど



どうしてもそれができなくて。



バカでどうしようもないこの母親でも


最後はおれしかいないって


思ったりするから。



オヤジとはもう何年も口を利いていない。


あっちも自分のことはどうでもいいと思ってるに違いないし


父子だなんて全く思いたくない。



だけど


この母親は


自分がいないとどうにかなっちゃいそうで放っておけない。



また南のことを思い出した。



あのヘンな女も


すっごい苦労してきたんだろうか。




女なんかズルい生き物としか思えなかった。


計算高くて、したたかで。



南のあの力強い光を放つ真っ黒な瞳が


ものすごい心に残って。




翌朝。



斯波はいつも誰よりも早く出社して仕事をしている。


玉田がやってくると


いつものように彼はデスクに向かっていた。



ひょっとしてもう来なかったりして


なんて思っていたので



「おっ・・・・・はようございます、」


ドキンとして声が裏返りそうになってしまった。



斯波は顔を上げることもなく



「・・おはよう、」



とボソっと言った。



ゆうべのことなんか


何もなかったかのように。



まだまだ斯波ちゃんが世間に素直になれない頃のお話でした・・・



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