Danke~ありがとう(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

一方。


真尋は表に出る仕事は休んでいたが、曲作りに没頭していた。



今までこうして改まっての作曲の経験がなかったので、けっこう悩みながらも曲を作るということを楽しんでいた。



「・・なー・・・」


スタジオの隅で本を読む斯波に話しかけた。



「え?」


本に目をやりながら斯波が答える。



「・・最近。 なんでタマちゃんや志藤さんじゃなくて・・あんたが来るの?」



非常に迷惑そうに言ってしまった。



「・・二人はオケのことで忙しいからだ。 なんか・・不満?」


ジロっと睨まれた。



「やっ・・不満じゃねーけどさ・・。」



なんかしらねーけど


すんげえやりづらいんですけど、



真尋はどうにも斯波がいるだけで空気が重々しくなってイヤだった。



来ても何話すってわけでもなく


おれがピアノを弾くのをすんげえ怖い顔で聴くだけで。



んで、感想を言うわけでもなく難しい顔でノートに何かを書き込んで


帰ってゆく。




「いっつも。 なんか書いてるけど。 あんたは何の仕事してんの、」


疑問をぶつけてみた。



「おれは前の上司に勧められてホクトに入社したけど。 条件として雑誌の連載の仕事を続けさせてもらうことになっていたから。」


「雑誌の連載??」


「前はフリーの音楽ライターしてたから。 そのための出張なんかもさせてもらえるって話だったからやることにしたんだ。」


「へー。」



また会話が途切れる。



「おれの公演とかも見たりしたの?」



「アルデンベルグは見ていないけど。 日本での北都フィルとの公演や他のコンサートには何度も行った。 沢藤絵梨沙のコンサートも、」


「え、絵梨沙の?」


「彼女がジュニアのときからコンクールにも度々行っていたし。」


「ふーん・・・」


意外だった。



で、また会話が途切れる。



こっちから話しかけないと話も続かない。



つまんねーの・・・



真尋はため息をついて、またピアノに向かった。



「ああ、いいね。 そのフレーズ。」


聴いてなさそうだったのに、突然言ってきた。



「え?」


「今んとこ。 ICレコーダーでも用意しておいた方がいい。 忘れないように。」


「あ・・ハイ。」


思わず敬語で頷いてしまった。



ヘンなヤツだな・・・



真尋は斯波が掴みきれなかった。



真尋も斯波には手探り状態な感じで・・・・



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