Leben~命 (11) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

甘えん坊で一人娘のせいか父も気を遣って、あまり町を一人で歩くことなんかなかったマリーが、自分のために


必死に真尋に伝えに行ってくれたのか、と思うと絵梨沙は胸が熱くなった。



「仕事から戻ってマリーからそのことを聞いて。 ここに来たら、マサがいたんだけど・・・」



絵梨沙は周囲を見たが彼の姿はない。



「・・申し訳なさそうに、レッスンに行くからって。 ぼくが代わりに、」



レオは絵梨沙に気を遣って静かに言った。



「・・いえ。 いいんです。 大事な時だし・・・」


絵梨沙はシェーンベルグの時間の限りを思うと、自分のことよりもそっちを優先して欲しかった。



「・・あまり。 無理をしないほうがいい。 きみだって普通の身体じゃないんだから、」



「おなかが大きくなってきて・・少ししんどくなってしまって。 身体がいうこときかなくて、」


「エリサは元気な赤ちゃんを産むことも大事な仕事なんだから・・・。マサをフォローするのも大切だけど、」


その言葉に小さく頷いた。



「マリーの世話も、もう無理をしないで。 マサがレッスン中は休むとか、そうして欲しい。」


「え・・・」


「ぼくからもお願いする。 エリサの気持ちは嬉しいけど・・・マリーもね、もう一人で留守番ができるからって。母にも来てもらっているから。 大丈夫だよ、」



寂しいけれど


今はもう色んなことに忙しくて、精神的に疲れていたのは事実だった。



「・・ごめんなさい、」


絵梨沙は小さな声でそう言った。


「それよりも。 赤ちゃんが生まれたら逆にマリーが世話を手伝いたいって言ってるよ、」


レオはふふっと笑った。


絵梨沙もつられて笑顔になった。



そこに



「エリサ?」


ノックの音がしてカタリナが入ってきた。



「・・カタリナ・・・」


「もー。 びっくりしちゃった。 さっきおじいちゃんから電話もらって・・・」


「先生が?」


「ウン。 エリサが倒れちゃったって・・。 赤ちゃんは? 大丈夫?」


「ありがとう・・。 大丈夫よ。 貧血ですって。」


「そうかあ。 あんまりムリしないでね、」


突然現れた彼女にレオが目をぱちくりさせていたので、



「・・シェーンベルグ先生のお孫さんのカタリナです。 市内の美術大学の学生さんで・・」


絵梨沙が彼女を紹介した。



「ああ・・先生の。 そうですか、」


「こちらは。 レオ・ブルックナーさん。 あたしがシッターをしている子のお父さんなの。 いつも色々お世話になって、」


「そーなんだあ・・。 はじめまして。 カタリナです。」


二人はにこやかに挨拶を交わした。



「おじいちゃんから頼まれてるから。 エリサの看病はあたしがします。」


「え、看病なんかいいのに・・」


「ダメダメ。 赤ちゃんに何かあったらどうするの?」


「エリサには応援団がたくさんいるんだな。 じゃあ、ぼくはこれで。」


レオは笑って病室をあとにした。






「・・もうシッターの仕事もやめることになってしまって。 レオさんも気にして、」


彼が出て行った後、絵梨沙はつぶやいた。


「え、そうなの?」


「その女の子はもうすぐ8歳になるけど、お父さんと二人暮しで。 おばあちゃんが来てくれるとき以外はずっとひとりなの。 まだ心配なのに・・・」


と言うと、カタリナは明るく


「じゃあ! あたしが代わりにその仕事しようか?」


と言った。



「え、カタリナが??」


「この前のケーキ屋さん。 学校と時間が合わなくなっちゃって、やめることになっちゃったの。 シッターは夕方から夜でしょ? そのほうが都合がいいの。」


意外な方向に話は進んだ。




みんなが真尋を必死に支える絵梨沙を助けてくれます・・


My sweet home ~恋のカタチ。






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