Ein Traum~夢(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

絵梨沙はレオにコーヒーを淹れてきた。



「ありがとう。 マリーは少し熱が下がったみたいだね、」


「ええ。 喉の痛みも取れてさっきはプリンを食べました、」


「エリサのおかげだよ。 本当にありがとう、」


と微笑まれて


「いえ。 あたしは・・・・。 でも本当に大変ですね。 小さい子は病気をよくするでしょうから・・・。」


ため息をついて絵梨沙も座った。



「まあ・・・母やシッターさんに任せきりだったこともあったけど。基本はぼくとマリーだけできちんとやっていきたいって気持ちはあったし。 子供が病気な時くらいついててやりたいし。」


「日本ではお父さんが仕事を休んでまで子育てをすることはあまりまだ受け入れられていないようです、」


「こっちも、まあ。 そんなにいい顔をされるわけではないけど。 仕方ない。 マリーにはぼくしかいないんだから、」


レオは笑った。



そしてふっと間があって



「・・母が。 再婚を強く勧めていて。」


と、ポツリと口を開いた。



「え、」


「母の友人の知り合いにいい人がいるからどうかって。 なんやかんや言って適当に断ったりしてるけど。 こういうことがあるとまたうるさく言われそうだ、」



レオはフッと笑った。



まだ彼は30代半ばで


これから再婚だってあるかもしれない。



「ぼくは。 男である前にマリーの父親だし。 子育てが大変だからといって、ムリに妻を迎えたいとは思えない。子供には母親が必要だって周囲は言うけど・・。」



自分のことよりも


娘のことを第一に考えるレオに絵梨沙は自分のことを重ね合わせた。



「あたしの両親は、あたしが10歳の時に離婚をして。 母とあたしは日本で生活をずっとしていました。 父のことが好きだったので本当に寂しかった。 母も仕事に忙しく、おばあちゃんとの生活がほとんどで。 でも・・・そうやって必死にあたしのことを育ててくれました。 ピアノのレッスンも。 忙しくても必ずきちんとしてくれて。 離婚をした両親を恨んだこともありましたけど、今は・・・二人に感謝をしています。」



絵梨沙は静かに微笑んだ。



「そう・・・、」


レオも優しく頷いた。



「今。 レオさんの話を聞いて、父も母も・・・一人になってから恋をしたんだろうかって思って。 恋をしてもあたしのために諦めたりしたんだろうかって・・・。」


そして


小さくつぶやいた。



レオは笑って


「ぼくも。 これから妻以外の女性に恋をすることがあるかもしれない。 でもね。 やっぱりマリーがもっともっと大きくなるまで再婚はしないと思う。 諦めるとかそんなんじゃなくてね。 ぼくのこの気持ちをわかってくれて、待っていてくれる女性がぼくの愛せる人だって・・思うから。 ぼくとマリーの全てを受け入れてくれる人に出会えるまでは、」



コーヒーに口をつけた。



なんて


強い強い絆で結ばれているんだろう・・・



絵梨沙はレオとマリーの父娘の二人の家族としての強さを思い知る。


もう母親はこの世にいなくても、3人で過ごした幸せの空間はまだここに生きているのだ。




レオがふっと彼女を見ると、ぐすんと涙していた。


「え、どうしたの??」


「す、すみません・・・。 なんだか妊娠してから・・・涙もろくなって。 すぐ涙が出てしまうんです・・・。」


絵梨沙は慌てて涙を拭いた。



「・・マリーは。 このお父さんがいてくれる限り・・きっとママが欲しいだなんて思えないでしょうね。きっとこれが自然な家族の形だって・・・。 」


「・・ん、」


レオも笑顔で頷いた。



「あたしも。 生まれてくる子供にはできるだけ家族の形を教えてあげたい。 真尋があまり家に戻れないようになっても・・・いつも家族一緒にいられるように、」


絵梨沙はそっとおなかに手をやった。




絵梨沙はマリーに昔の自分を重ね合わせます・・・


 

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