Ein Traum~夢(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

・・とはいえ。 


年が明けた頃から、シェーンベルグがずっと咳をしていることが気にはなっていた。



レッスン中に咳こむ彼に



「なー。 だいじょぶなの? ちゃんと医者で診てもらえよ、」


真尋はぶっきらぼうに心配をした。


「医者ならちゃんと行っている。 わしのことはいいから、さっさとここまで通して、」


いつものように頑固だった。





そして。


いつものように真尋は絵梨沙と一緒にレッスンスタジオに向かうと、


見知らぬ女の子がピアノを拭いたりしていた。



「あれっ・・・・。」


二人が思わず声を上げると



彼女は二人を見て


「えっと・・・ひょっとして。 マサ・・・と、エリサ???」


確認するように指をさした。



「う・・うん、そーだけど。 どちらさん?」



真尋が怪訝そうに訊くと



「ああ。 あたし。 シェーンベルグの孫。 カタリナよ。 よろしく!」



彼女は元気よく手を出した。



「・・・・ジイさんの、孫・・?」



「うん。 市内の美術大学に通ってるの。」


絵梨沙はなぜ突然孫娘が現れたのか気になった。



「せ、先生は・・どうかしたんですか?」



「ううん。 どうもしないけど。 なんだか昨日電話をしたら声が枯れてて。 調子が悪いんじゃないかと思って来てみたの。 」


二人は顔を見合わせた。



「そ、それで??」


真尋は慌てて彼女に質問した。



「あ、別に・・。 大したことなかったけど。 いつもここに来るのが日課で。 たまにこうやってピアノを磨いたりしているから。 今日はあたしが行くよって言って来たから。 今、ちょっと家で休んでる。」



「そう、」


大したことないようでホッとした。



「ママがね~。 心配して。 前に・・・手術したから。 一緒に暮らそうって言ってるのに。 おじいちゃん言うこと聞かないから。 あたしもたまーに家の方に様子を見に行ってるけど。 もう、うるさいな、くらいの勢いで。 ほんと頑固なんだから、」



「・・手術、」


真尋は以前聞いた医師の話を思い出した。



「あれ? 聞いてない? おじいちゃん・・・若いころ肋膜患ったんだけど。 3年前かな。 ・・今度はガンが見つかって。 右肺の半分摘出しちゃったの、」



カタリナの話に二人は驚いた。



「・・ガン・・・」



「今は経過観察中ってとこで。 あんまり無理をしてほしくないんだけど。 ママがね。 どうやらウイーンをどうしても離れたくないわけがあるみたいよって、」



「え・・・」



真尋は小さな声をあげた。



「あなたのことはおじいちゃんからよく聞いてた。 あの憎まれ口しかきかない人が。 あなたのことになると話が止まらなくて。 いいことも悪いことも。 ああ、すごいピアニストなんだろうなあって思ってた。」



自分が知っているシェーンベルグとは


全く違う人が存在しているのだろうか。



そう思えるほど意外な言葉だった。



シェーンベルグの孫のカタリナと初めて会った二人は彼の病気を知らされます・・・


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