Ein Traum~夢(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

絵梨沙は相変わらず週に2日はマリーの家でシッターをして、あとはシェーンベルグのスタジオを掃除をしたりと穏やかな毎日を過ごしていた。



ピアノを乾いた布で拭いているとき、何となく鍵盤に触れ



それに惹かれるように弾き始めた。



リストのコンソレーション。



もう


一流ピアニストの人生を歩むことは


諦めた。



自分にはもっともっと相応しい道があると思い始めていた。




ふっと気配を感じて振り返ると、シェーンベルグが立っていた。


「あ、す、すみません・・・」


慌てて弾くのをやめて蓋を閉じようとすると



「いや。 続けて。」


彼は穏やかにそう言ってイスに座った。


絵梨沙は戸惑いながら、またピアノを弾き始めた。





「・・・このピアノの音。 とても素晴らしいです。 柔らかくて温かくて・・・」


二人でお茶を飲んだ。


「もうわしの手元に来てどのくらいになるのか。 古いが響きは一流だ、」


「本当に・・・」


「おまえさんは。 もうピアノの仕事をするつもりはないのか、」


シェーンベルグはいつものようにコーヒーにどぼどぼとミルクを入れた。



絵梨沙はその言葉に少し考えて



「あたしのピアノを必要として下さるのなら・・・。 することもあると思いますけど。 でも、以前のような仕事は・・」



遠慮がちに答えた。



「小さいころからの夢だったのに。 自分の弱さがイヤになるほどで。 やはりこの世界には向いていないのかもしれません、」



「まあ。 世界中から声がかかって忙しく駆け回るだけがピアニストじゃなかろう。 本人に合った仕事をするのが一番、」


シェーンベルグは静かにそう言った。



「あたしは。 今は真尋のそばにずっといて。 彼が世界的ピアニストになることを全力でサポートしたいんです。それが自分の一番の幸せだってことに気づきました、」


絵梨沙は微笑んだ。



「・・贅沢な男じゃ、」



巨匠はそう言ってふと笑った。






その後、また年明けに仕事も兼ねて二人で日本に帰ったり、と忙しい毎日を過ごしていた。



2月になろうか、というある寒い日。



「エリサ、どうしたの? 元気ない・・・」


マリーと家で本を読んだりしていたのだが、絵梨沙の元気がないことを彼女は気にした。


「ん? 何でもないわ。 なんだかこの頃身体がだるくて、」


「え~~、大丈夫? 風邪ひいたの?」


マリーは背伸びをして絵梨沙の額に手をやった。



「大丈夫よ。 じゃあ、続きね。」


絵梨沙は彼女に本を読んでやった。



それでも数日たっても体調がすぐれない絵梨沙は病院に行ってみようと思い支度をしていた。



「え、病院? どうしたの?」


真尋は10時ごろ起きて来て彼女に言った。



「ずっと体調が悪くて・・・。 診てもらおうかって・・・」


「おれも行くよ。」


真尋は慌てて支度をし始めた。



絵梨沙もこれからの自分を模索中でしたが、彼女の身体に異変が??


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