Das Schicksal~運命(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

なんだかんだ言いつつ。


志藤もあとからホールにやって来ていた。




なんじゃ、あのアタマは・・・・。



大きなため息をついた。





しかし。



相変わらず。


何があっても、こいつのピアノはスゴい。




悔しくてもどうしようもなく、彼に惹かれてしまうのは絵梨沙だけではなかった。




クラシックコンサートなのに、手拍子も起きて最後は総立ちというまるでポップスのコンサートのようになって真尋のライブは終了した。



あの噂で興味本位で来た客もいるのだろうが、たぶんそんな人たちをも彼は魅了してしまった。




客が引けた後、志藤はホールの隅に絵梨沙が立っているのを見つけた。



「あ、志藤さん。 いらしてたんですか、」


スタッフから声をかけられたが、



「しーっ、」



と、彼を口止めした後



「ちょっと・・・。 みんな引き揚げさせてくれる? 片付けは明日でもええんやろ?」



そう言った。



「え? ・・ええ、」



スタッフは志藤の言うとおりにそっとホールを後にして、志藤もまたそこを出た。




しずかになったホールの舞台に真尋が現れた。



絵梨沙はハッと顔を上げる。



「絵梨沙がいるの。 見えてたよ。 わかってた、」


真尋は笑って、舞台からぴょんと飛び降りた。



あんなにたくさんの人がいたのに


そんなセリフにわかに信じることはできなかったけど




『おれ、いつも絵梨沙のこと見てっから。』



ずっと前


真尋からそんな言葉を言われて


どうしようもなく胸がときめいたことを思い出す。





何と言っていいかわからず、絵梨沙はうつむいたままだった。


そんな彼女に歩み寄って、



「・・・結婚、しよ。」



今度は軽くそう言ってほほ笑んだ。



絵梨沙は堪えていたものがまたあふれ出て、顔に両手を充てて泣いてしまった。



「・・・おれは。 絵梨沙がいないとダメなんだ、」



真尋はそっと彼女を抱きしめた。



あたたかい彼の胸に抱かれて、絵梨沙はやっぱり彼と離れられないことを悟る。




「・・口ばっかりなんだから・・・」



言葉とはうらはらに、そっと彼の背中に手をまわした。



「もう・・・何でも言うよ。 絵梨沙を愛してる。 好きだ、ずっとそばにいて・・・。」



その言葉がまるで魔法のように絵梨沙の心を溶かしていった。




悔しいけれど、もう真尋ナシの人生は絵梨沙にはありえませんでした・・・


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