同じように観客も思わずどよめいた。
真尋のアタマはきれいなスキンヘッドになっていた・・・・
そのざわめきに真尋はニッと笑って
「すんません。 いろいろありまして。 頭を丸めるほど反省いたしましたので、」
と自虐的セリフを吐いた。
観客から
「似合う~!」
という声がかかり、笑い声がおきた。
「え、似合う? よかった~~。 ショパンをブチ壊すんじゃないかって心配してたんです。」
真尋はそう言って、いきなりピアノを弾きだした。
ショパンのバラード1番。
Tシャツにジーンズ、おまけにスキンヘッドなのに。
何故かそのショパンが死ぬほどしっくりくるようで。
・・・不思議なひと・・・。
絵梨沙は何度彼のことをそう思っただろう。
彼のピアノが聴きたくて。
なんて人だろうと思いながらどうしようもなく惹かれていったあの頃。
頭丸めるほど反省してるけど
これから先も
こんなことがあるかもしれない。
その時、やっぱりあたしは『約束を破った』って怒るんだろうか。
もう
どうしようもないこの彼もあたしの大好きな彼だから。
その美しい調べを聴きながら
絵梨沙はそっと目を閉じた。
涙がほおを伝わった。
大きなホールよりも、こうした小さなホールの方が彼のピアノに体中が包まれる感じがして
あたしは好きだ。
ピアノも
彼も
もうあたしの身体の血と肉になっている。
体中が彼を求めてやまない・・・・。
絵梨沙は両手で自分の体を抱きしめるように、真尋のピアノの音を感じていた。
思いっきりのスキンヘッドというわかりやすい反省をした真尋。そして彼のピアノを聴いた絵梨沙はもうどうしようもない気持ちを確認します・・・
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