Das Schicksal~運命(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

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「・・なに・・これ、」


絵梨沙は呆然とした。



「なにって・・・『婚姻届』だろ!」


真尋は逆ギレするように言った。



「婚姻届・・・?」



確かに乱雑にポケットに入れたためにこのようにくしゃくしゃになったであろうこの紙は


『婚姻届』の文字が。



そして



いつもの彼の汚い字で



夫になる人


の欄に


『北都真尋』


と、記してあった。




「・・・結婚、してくれ。 おれと。」



怖いくらい真剣な目だった。



絵梨沙は大きな目をさらに大きくして彼を見た。



「・・もう。 おれにはこの選択しかない! ・・・もう一生女は絵梨沙一人だ。」



強引すぎるプロポーズに絵梨沙はただただ驚くばかりで。



「日本にいれるのもあと3日だ。 一緒に、またウイーンへ帰ろう、」


真尋はずいずいと絵梨沙に迫ってくるが、あまりに鬼気迫る状態で怖くなり後ずさりをしてしまった。



「一生かけて、謝るから! 償うから! バカでどーしようもないおれを許してくれ!! ・・・また、一緒にピアノを弾こう!!」




ずるい・・・



絵梨沙はそんなことを言う真尋にそう思ってしまった。


彼女の瞳が潤んだと思ったら、涙があふれて。



「・・あたしが・・・ピアノっていったら・・・ついてくると思ってるんだから、」



鼻をすすった。




「おれが。 おれらしくいられて。 おれらしいピアノを弾いていくには。 絵梨沙が必要なんだ。 ほんとは・・・もっともっとちゃんと仕事ができるようになってから・・・プロポーズしたかったけど。 こんなことになって絵梨沙を不安にさせてしまって。 もう時間なんか必要ない。 頼む、おれと結婚してくれ、」



真尋は真っ正面からもう一度絵梨沙にプロポーズをした。



「もう・・いきなりそんなこと・・・・。」



もう頭の中がごっちゃになってどうしていいかわからなかった。



真尋は絵梨沙に無理やりそのくしゃくしゃの『婚姻届』を握らせて



「おれ。 これからライヴのリハに行くから。 返事、待ってる。 今日のライヴに来てくれ、」



そのまま走って行ってしまった。




その汚い字で書かれたうえにくしゃくしゃの紙を握り締めて絵梨沙はまた涙が止まらなくなってしまった。






「皮肉なもんで。 あの騒ぎで真尋のライヴ、連日超満員で立ち見も出るほどやん。」


南は資料を見ながら志藤に言った。



もうあれから志藤は真尋とも会っていないし、何も言う気になれなかった。



「エリちゃんは。 どうしてんの、」



「まあ。 もう別れるとか言ってるけど、」



「トーゼンやん、そんなん。」


志藤はパソコンの画面を見ながらそう言った。




真尋はいつものように直球一本やりのプロポーズを絵梨沙にします。そして絵梨沙は・・・・


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