Lebe für Liebe~愛に生きる(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「え・・・・」


隣の部屋に連れて行かれた絵梨沙は驚いた。


大きなグランドピアノと、写真だらけの壁。



美しい女性がピアノを弾いている姿ばかりだった。



「これは・・・・」



「ママだよ!」


マリーは嬉しそうにそう言った。



「ママ・・・」



フランツからマリーは2歳の時に母親を亡くしていると聞いている。



「あたしはママのこと覚えてないんだけど。 ここにいっぱいママがピアノを弾いている写真があれば、ママがそばにいるみたいだもん、」



屈託ない笑顔で言った。



「妻は。 ピアニストでしたから、」


ネタばらしをするようにマリーの父親は笑った。



「音楽院の同級生でした。 一度、学校のオケで競演して。 ぼくたちが付き合い始めたのはそれからです、」



「え・・・」



まるで

自分と真尋の出会いのように。



「彼女はコンクールで賞をいくつもとるような有望なピアニストでした。 卒業後もプロとして演奏会に引っ張りだこで。 ぼくはいつまで彼女とつきあっていられるんだろうって・・・本当に不安なばっかりで。」



彼は


寂しそうに微笑んだ。



その時、壁に掛かった時計を見て


「ああ、いけない。 すっかり遅くなってしまって。 今日はぼくが遅くなったけど、いつもは7時まででけっこうですから。 今日は本当に助かりました。」



もう少し話を聞きたかったけど


彼がそう言ったのでその話は途中になってしまった。




「ああ、挨拶が遅れて。 ぼくはマリーの父親のレオ・ブルックナーです。 どうぞよろしく。」


握手を交わしたのはもう帰る頃だった。





なんか


いい父娘だったなー・・・。



絵梨沙はピアノ以外の初仕事だったが、ほんわかとした気持ちで終えることができた。



あんなに小さくて。


お母さんの記憶もなくて


お父さんも忙しいだろうに、あの子は寂しそうな顔もしないで・・・



自分のことを思い出してしまった。



あたしはあんなに素直じゃなかった。


いつもいじけていて、一人で暗くなって。


不幸を一人でしょいこんでるみたいな子供だった。



ママは


こんなあたしを見ているのが心配だっただろうな・・・




ぽっかり浮かんだ三日月を見上げた。




マリー父娘を見て自分の幼い日を思い出す絵梨沙でした・・・


 

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