Lebe für Liebe~愛に生きる(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

絵梨沙は喜ぶ3人の輪の中には入れなかった。



どうしても志藤や南たちに対する罪悪感が拭えなかった。



真尋のことで安堵したあとは、そっとその場を離れた。






「よかったね、」



ようやく彼にそう言えたのは彼が家に戻ってからだった。



「ま。 結果オーライっつーか。 って、ジイさんの弟子になったからって言って次になんか仕事あるとかでもねーけどな、」


「でも。 あんなに取材をいっぱい受けて。 きっと注目されるわ、」


「今日から。 ジイさんのお許しが出たからまた『Ballade』で弾けるよ。 志藤さんと南ちゃんも来たいってゆーから、誘ったけど。 絵梨沙もおいでよ、」



絵梨沙は少し考えて



「・・・あたしは。 いつでも行けるから。 また今度にするわ、」



と答えた。



「別に。 もう仕事のことなら気にすることないのに、」


彼女の気持ちを先回りして言ったが、



「・・本当はきちんとお詫びをしないといけないんだけど。 今は・・・・」



絵梨沙はうつむいた。


真尋はふっと笑って



「ま。 みんなわかってくれてっから。 今はゆっくりした方がいいよ。 もうなんも心配することないんだから、」



彼女の肩を抱いた。






「へー・・真尋こんなトコで弾いてんだ、」


南はカウンターに座って店を見まわした。



「ウイーンにはこういう店はけっこうあるみたいだけど。 なんや、ほんまに人でいっぱいになってきたな、」


志藤もその客の多さに驚いた。



今日はフランツが張り切って、店の外に大きく



『ファンベルグ国際ピアノコンクール第3位!! マサヒロ・ホクトの演奏が聴ける!』



貼り出してしまった。



「3位ってビミョーな順位だっつーのに、」


当の真尋は苦笑いだったが


久しぶりの彼の演奏が聴けると、人々はどこからともなく集まった。



もう


普通の営業状態ではなく、ほぼ彼のライヴと言ってよかった。




ひとつの大きな壁を乗り越えた真尋のピアノは


本当に美しく研ぎ澄まされて



無駄な部分が全くない本当にキレイな旋律だった。




その



ノクターン第8番を聴いて、志藤はそっと目を閉じた。



あの日。


突然、自分の耳に飛び込んできたあの『ノクターン第8番』が、おれの運命を変えた。



あのときよりも数段に成長した真尋の音を


子供の成長を見守る気持ちと同じで


ゆったりと温かく聴くことができる。




志藤は感無量の気持ちで真尋を見つめます・・・



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