Lebe für Liebe~愛に生きる(15) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

絵梨沙は雑誌をペラペラとめくりため息をついた。



「なに、深刻な顔しちゃって、」



あのコンクールから1ヶ月後。


二人は以前のアパートからそう離れていないマンションに引っ越した。


以前よりも少し部屋が広くなり、二人で住むには十分だった。



「なかなか仕事がなくて。 販売接客業とかはあるんだけど・・・。 あたし、ほんっと世間に疎いしできるかなあ、とか。」


絵梨沙は真尋にそう言った。



「だからさ。 絵梨沙は仕事なんかしなくていいんだってば、」


真尋は笑った。



「でも、」



その後


シェーンベルグのレッスンは続き、コンクールの評判を聞いた人たちからいくつか小さい演奏会の依頼はあるものの、いまだにピアノバーで弾いたりして家計を支えていた。



絵梨沙はそんな真尋の助けになりたくて何とか仕事をしたいと思うのだが・・・・



相変わらずピアノに触れない生活が続いていた。



いつも彼のピアノが目の前にあっていつでも弾ける状態なのに


どうしても弾く気になれない。




「絵梨沙が仕事をするときは。 ピアノを弾く仕事だよ。 他の仕事なんかする必要ない、」


真尋は優しくも少し厳しい口調でそう言った。



「おれは。 絵梨沙が自然とそう思える日まで、いつまでも待ってる。 生活が苦しかったらまた仕事を増やす。 それだけだ、」



涙が出るほど嬉しい言葉だが


やはり


心に重いものを背負うことになってしまった。




「え? ベビーシッター?」


絵梨沙はフランツの店に行っていた。



「ベビーったって、もう7歳くらいって言ったかな。 おれの知り合いのトコの娘。 母親をうんと小さい頃に亡くしていてね。 父親が男手ひとつで育ててる。 この前、ずっとシッターをやってた人が田舎に帰るとかでやめちゃったっていうから、」


皿を拭きながら彼は言った。



「どうかな? まあ、7つだから手はかからないし。 スクールに迎えに行って、そのあと8時まで見てるだけみたいなんだけど。 学校も家もこのすぐ近くだし、」



その話に絵梨沙は



「や、やります。 紹介してください、」


意気込んで頼んでしまった。




フランツはフェルナンドから絵梨沙の事情を聴いていたので、あまりピアノに関係のない仕事を絵梨沙に紹介したのだが。





「こんにちわ。 新しいお姉ちゃん、」



慣れない絵梨沙に物おじしない金髪クルクルのブルーの目が本当にかわいい女の子が現れた。




「・・・あたしはマリー・ブルックナー。 7歳よ。」



まるで大人か、というような挨拶をきっちりされた。



「え・・・エリサです。 どうぞ、よろしく・・・・」


最初っから押され気味だった。



今までピアノひとすじのお嬢さまだった絵梨沙が仕事を?? ちょっと心配ですが・・



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