Lebe für Liebe~愛に生きる(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真尋の演奏は5人の中でも光っていた。


優勝は射程圏内とも言えたが。



全ての演奏者が演奏を終えて、審査を待つ。



そして。



真尋も観客席の一番前で結果を待った。


審査員が舞台上に上がってその結果を告げる。



「・・・優勝は。 エントリーナンバー45番。 ミラ・ブリュットナー!」



その声を聴いた時、真尋は歓声の中どんどん力が抜けていくのがわかった。



あれだけの演奏をしたのだが、結果は3位というものだった・・・・。



優勝者がカメラのフラッシュを浴び


報道陣からインタビューを受けている。


真尋はそんな姿を遠くから見つめながら、イスから動くことができなかった。



そして肩をポンと叩かれた。



志藤と南だった。



「ま。 残念やったけど。 おれは感動したで、」


志藤はニッコリと笑った。



「・・志藤さんひとり感動させてもな、」


真尋はため息をついた。


「なに言うてん! あたしだって感動したよ!」


南も言ったが真尋のテンションは上がらなかった。


すると



「まあ、これが現実だ、」


どこから来たのかシェーンベルグがやってきた。



「先生・・・・」


「このような採点によるものには。 やっぱり『先入観』がある。 上位2人はもうすでに有名なコンクールで優勝した経験を持つピアニストだ。 おまえはほぼ初めてのチャレンジ。 審査員も人間だから、海の者とも山の者とも知れないヤツには採点は辛くなる。」


それは志藤も心配していたことだった。


コンクールには『経験』が必要なのだ。



「ま。 どっちみち。 もう終わりだな。 世話になったな、」


真尋は立ち上がってシェーンベルグに言った。



そこに



「あの、ちょっとよろしいですか?」


マスコミが真尋を囲んだ。



「は??」


「3位おめでとうございます。 よろしかったらお話を少しうかがわせて下さい。」



目をぱちくりした。


まさか3位だった自分にこんなにマスコミがやってくると思わなかった。



「北都さんは日本人ですよね? 日本ではどのような活動を・・・・」


「このコンクールに出場することになった経緯は・・・・」



次々質問をされて、



「ちょ、ちょっと待って・・・」


慌ててしまった。



そして記者たちがシェーンベルグに



「彼はシェーンベルグ先生のお弟子さんですか? 近頃はレッスンすることもあまりなくなった、と聞いていましたが、」


と質問したので、真尋は



「いや、・・おれは、」



否定しようとした。



しかし



「・・・ま。 今までレッスンしてきた中で一番不出来な弟子だがな、」



シェーンベルグはあっさりとそう答えた。



真尋は惜しくも優勝を逃しましたが・・・


 

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