passionato~情熱的な(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「で。 手は大丈夫だったの?」


父もその話を私から聞かされて焦っていた。


「うん・・足だけみたいなんだけど。 かなり入院が必要になっちゃったみたいで・・・」


「2週間後。 単位が足りない分の講義と追試があるだろう、」


「そうなんだけど・・・」



もうそれに間に合わないことは私もわかっていた。



「どうしよう・・・。 いったいどうなっちゃってんだろう、」


私があまりに狼狽するので、


「・・絵梨沙。 東京に行ってきなさい、」


父はそう言ってくれた。


「え・・・」


「きみはもう卒業はできるだけの単位は取れている。 仕事も当分ないから・・・」



私はその言葉に後押しされて日本へと慌てて旅立った。






彼がどんなことになってしまったのか


私は日本に戻ると、すぐに病院に向かった。



病室のネームプレートを確認してドアをそっと開けようとすると




「・・入院は。 1ヶ月必要らしい、」


志藤さんの声が聞こえてハッとした。



「1ヶ月って・・・。 おれ、学校に戻んないと!」


彼の焦る声が聞こえる。



「ムリや。  こっちでの仕事も全部キャンセルしたし。 もう観念するしかない、」



それは。


彼が音楽院の卒業が叶わないことを意味していた。




「しょうがないだろう。 自分がバカなんだから!!」


お兄さんの声も聞こえた。



「・・あー・・・・もう、どーしよ・・おれ、」


彼の悲痛な声が聞こえる。




私は思いきってドアをノックして病室へと入って行った。




「・・絵梨沙・・」


彼は私の姿を見て驚いていた。



「エリちゃん、」


志藤さんもお兄さんも。



私はギブスでガチガチに固められた彼の姿を見て、



「・・・もう!!! どんだけバカなの!!」


いきなり泣き怒りをしてしまった。



「もっと自覚をしなさいよ!! これが腕だったらどうなっていたの!? 酔っぱらってケガするなんてサイテーよ!!」


私の怒りようがものすごかったので、シンとなってしまった。



私はもう情けなくて


情けなくて


その怒りをどこにぶつけていいかわからなかった。




「仕事も! 志藤さんたちに迷惑を掛けて!!  あなたはプロなんだから! どんなときも自分の身体には一番気をつけなくちゃならないのに! どこまで子供なの!?」



もう涙が止まらなかった。




真尋のふがいなさに絵梨沙は怒ってしまいます・・・


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