passionato~情熱的な(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

うなだれる彼に私は我慢できなくて、その横っ面をひっぱたいてしまった。



「え、エリちゃん、」


志藤さんにやんわりと制された。



「バカバカ!!!  もー・・・どうしようもないバカよっ!!」



私は泣きながら『バカ』を繰り返した。



彼は私と共に音楽院を卒業できない。


それは決定的になってしまった。




私が落ち着いた頃



「まあ。 すぐには決めなくてもいいけど。 もう1年頑張るか・・それとも学校を辞めるか。 それも決めないとアカンな、」



志藤さんは静かにそう言った。



「・・・学校を・・辞める・・?」



彼はまだそこまで頭が回っていないようだった。



「それも。 ちゃんと考えて。 おまえがこれからどうするべきか。 大事なことだから。」



志藤さんとお兄さんはそう言い残して病室を出てしまった。





二人きりになっても


会話はなかった。



彼はずうっと窓の外を見ていた。



「・・いたい?」


私はようやく冷静になって彼に言った。



「昨日はちょっと痛かったけど。 今は痛くない。 でも・・・足にプレートを入れちゃったから。 また何年かしたら取らないと、」



「・・・そう、」




また会話が途切れる。



「ごめんな、」


彼は外を見ながら言った。



「え・・・?」



「絵梨沙と一緒に卒業したかった、」



それを言われるのが本当につらい。



「・・ほんとよ・・・。 パパは・・・卒業したら真尋も一緒にNYでやっていかないかって・・・日本から戻ったら言うつもりだったのよ、」


「え・・」


彼は私に振り返った。



「一緒に・・・まだやっていけるって思っていたのに、」



「絵梨沙・・・」



やっぱり私は泣いてしまった。



もうある『予感』が私の頭にいっぱいになっていたから。





私は病院を出た後、志藤さんから連絡を受けて真尋の実家におじゃました。



南さんもお兄さんも、お母さんも来ていた。



これからの真尋について話し合う場だったんだ、とその時はじめて自覚した。




思わぬ事態になってしまった真尋。みんなが心配して話し合います・・・

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