passionato~情熱的な(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

私たちの留学の4年間は


あと半年で終わりを告げようとしていた。



その間


私は母から懇願されていたショパン国際コンクールへの出場を諦めた。



あのコンクールは生半可な準備では太刀打ちできない。


それは私もわかっていた。


だけど


そのころには私はもうコンクールへの情熱を失ってしまった。



真尋の側で彼のピアノを聴くうちに


もっともっと大事なものがある気がしてしまった。




幸い日本で志藤さんたちが頑張ってくれて、私は仕事も順調に入り


このまま卒業してもプロデュースを会社に任せて何とかやっていけそうな目途も立っていた。




私の卒業と同時に父の音楽院での講師の契約も切れるので、それを機会にNYに拠点を移して父にマネージャーのような仕事をしてもらってやっていこうか、という話も出ていた。



NY・・・・・



父は母と離婚した後、しばらくNYを拠点として仕事をしていた。


演奏家としての仕事はNYの方がやりやすい、と思ってしてくれたことだったのだが


私はウイーンを離れることに不安を感じていた。





「絵梨沙~~! やっとレポート出し終わった~~!」


彼が無邪気に大きな声で走って来た。



「ほんと。 いつも綱渡りね。」


彼は進級のたびにこんな感じで切り抜けていた。



「おれ、明日っからまた東京だから。 2週間くらいで戻れるけど、」


「まだ他の追試が残っているんでしょう?」


「まあ、あっちで何とかやれるとこまでやってくけど。」



彼は日本での仕事もけっこうあって、単位もギリギリという


非常に危なっかしいことになっていた。





「だからあ。 今日は・・・。 寝ないでシよ!」


彼は笑って私の肩に手を回した。



「もー・・・・」



こうして


一緒に学校からの帰り道を過ごすのも


あと僅かなのだ。






彼が東京に行って3日ほどしたときだった。



「え・・・・」


私はその連絡を受けて身体が凍りついた。



「それで。 今、真尋入院してんの。 もー、ほんまに信じられないってゆーか、」



お兄さんの奥さんになった南さんからだった。



真尋が・・入院・・・



事情はこうだった。



東京に戻った真尋は、昔の友達とハデに飲んで。


自転車で自宅に戻る途中、酔っぱらっていたので道路の側溝に自転車ごとハマってしまった。


そして、左足のスネを骨折するという重傷を負ってしまったのだった。



「で・・・どうなんですか?」


私は震える声で聞いた。


「足、複雑骨折しちゃってて。 今日手術終わったんだけど、中でプレートで止めてるんやって。 しばらく動けないらしいの、」



それは


いったいどういうことになるのか。



私はもうパニックに陥った。




順調だったウイーンでの生活。ところが日本に戻った真尋が・・・


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