Sanftheit~優しさ(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「昨日まで。 ぜんっぜんダメみたいな感じで。 このまんまおかしくなっちゃうんじゃないか、とか。 もんのすごい失敗しちゃうんじゃないか、とか。」


私は何故だか彼を責める言葉しか出てこない。



「・・・それなのに。 ・・なんで、あんなピアノが弾けちゃうの??」



逆ギレもいいところだった。



彼はそんな私に笑って



「おれも。 わかんね。 でも・・なんだろー。 本番になるとさあ、宇宙からすんげえエネルギーが降ってきてさ、」



また、わけのわからないこと言っちゃって。



「絵梨沙から。 チャージしちゃったから。 絵梨沙がフ抜けになっちゃったな、」



彼は私の頭をポンポンと叩いた。





ホントよ・・・





私の気持ちごと


もってかれちゃって。






「・・ねえ、」



私は遠くを見ながら彼に声を掛けた。



「ん?」


「・・ピアノを・・聴かせて。」


「え?」



「あなたの。 ピアノを聴きたいの。」



私は全ての気持ちを持っていかれたまま、そう言った。






彼の部屋で


彼が弾くリストのコンソレーションを聴いた。



彼が弾く後ろの壁に寄りかかって。


それがすごく気持ちが良くなって。



疲れているだろうに、彼は私が言うままにピアノを弾いてくれた。




どうしよう。



私はまたどうしようもない気持ちに囚われた。



彼の背中を見て、その気持ちがまた溢れて。



この気持ちを解決する方法を


きっとこのときの私は全く知らなかった。


だけど。


身体が自然に動いた。




ピアノを弾く彼の後ろからそっと抱きついた。




「・・・絵梨沙・・・?」



彼は驚いてピアノを弾くのをやめた。




恥ずかしいだとか


そんな気持ちはなかった。



この溢れてきた気持ちを解決するには


こうするしかないって私の本能が教えてくれた。




自然と涙がこぼれる。



不器用な絵梨沙が初めて自分の気持ちを真尋にさらけ出しました・・・


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