Sanftheit~優しさ(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

クライマックスに近づき



私は自分をがんじがらめにしていた窮屈な気持ちから全て解き放たれたようになった。



涙が止まらなくて。



しゃくりあげるほど。



だから最後の最後は


見ることができなかった。



一拍置いてから、もう


すごい拍手と歓声で耳が痛くなるほどで。



私以外の人達は全員立ち上がって拍手を送っていたんじゃないか、と思った。



私は覆っていた手を下ろして、ようやくマエストロと笑顔で握手をする彼を見ることができた。



輝くような笑顔で手を振って。




もう


なんて人なの・・・・。



本番でしか本当の力を出せないの?



こんなにやきもきさせて。




私は泣き笑いのような顔をしてしまった。




父は私の頭を優しく撫でた。



「・・パパ・・・どうしよう・・私、」


歓声にかきけされそうな私の声を父は耳を寄せて聞いてくれた。



「・・・こんな気持ち、初めて。 人のピアノを聴いて・・こんなに感動したの、初めて・・・。」


父はウンウンと頷いてもう一度私の頭を撫でてくれた。



父は予感していたのだろうか。


私と彼を引き合わせたとき。



私がこんな気持ちになることを。



そして


今、私は彼への思いで


胸がいっぱいで


溢れそうだった。








ホールの外のベンチでぼーっと座って。


人気がいなくなって


すっかり静かになった。




彼のピアノがあまりに衝撃で


私は全ての気力を奪われたかのようだった。




「まだ、こんなところにいたの?」



その声にゆっくりと振り返る。



彼がタキシードを入れた衣装袋を抱えてニッコリ笑っていた。



また胸がいっぱいになってきた。



笑顔が作れなかった。



「元気ないじゃーん、」


いつもの彼だった。



「・・・もう。 ほんと・・心配したんだから・・・」


私はポツリとそう言った。


「え?」


彼は私の隣に座った。



絵梨沙は自分の心に秘めていた思いが爆発してしまい・・・



My sweet home ~恋のカタチ。






↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。