crescendo~だんだん強く(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

この前より


長いキス。



私は我に返って、自分からそっと離れた。



「・・・おれ。 本気だからな。 絵梨沙が受け入れてくれるまで。 いつまででも待つ。」



ゾクゾクっとする。


すごく強引なのに。


不思議に


イヤじゃない。




彼はそれ以上のことは何もしなかった。




ラフマの2番は


少しずつカタチになっていた。



その美しすぎる調べを聴いているだけで


胸がいっぱいになる。



今は私がこの音を独り占めしている。


それが何より嬉しいなんて。



彼には悔しくてとても言えないけど。



彼のピアノは私の尖った心を癒すように包んでくれる。



もう


ため息がでるほど


なんてピアノを弾くんだろう・・・・・




私は体中の力が抜けていって


あのメールの彼女のことやエレナのことは


どうでもよくなってきていた。


いつも


その繰り返しだった。




こうして。


彼の腰は快方に向かい、父もNYから戻ることになったので私たちの『共同生活』は終わりに近づいた。



「・・いろいろ。 ありがとう、」


前の晩、私は改めて彼に礼を言った。


「こっちこそ。 ほんと助かった。 ありがと。」


彼もニッコリ笑った。


「まだ・・ムリをしないで、」



少し


寂しかった。




「ああ、うん。 バイトはクリスマスからにしてもらうから。 それよりな~~。 学校すんげー休んじゃったからなー。 ヤバいかも。 まあバイトは行きたいんだけどな、」


「どっちが本職かわからないわね、」


「だってやっぱりお客さんにピアノ聴かせるのがスゲー楽しいし。 絵梨沙は? コンクールに優勝したんだからそういう話はないの?」


「・・・きてはいるけど。 パパがもう少し待ったほうがいいって・・・」


「え、やればいいのに! 絵梨沙なら絶対にお客さんいっぱいになるし!」


彼は明るく言った。


「え・・・・」


「おれの場合はまあ、お金払って来てくれてるってお客さんとはちょっと違うけど。 コンサートなんか自分のピアノにお金を払って聴きに来てくれてんだって思うとテンション上がるし。 コンクールはジャッジありきだからさ。全然楽しくねーだろ?」



そういう彼は本当に楽しそうに。



それが羨ましくて。



私はひとつの決心をした。



真尋のアプローチに戸惑いながらもやっぱり彼の部屋を離れるのは少し寂しく・・・・・



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