crescendo~だんだん強く(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そうしているうちに彼がヨロっと起きてきた。


「あれ? おかえり・・・」


目をこすりながら壁に手をついてやってきた。



「・・・・・」


私は慌ててキッチンに食事の仕度をしに行った。



「え・・何? どーしたの?」


私の異変にすぐに気づいた彼はゆっくりと歩み寄った。


「・・別に、」


私はもういかにも不機嫌だということを丸出しにしながら振り向きもしなかった。


彼はそこでパソコンのメールが開きっぱなしだったことに気づいたようだった。




「え? なに? コレ?」



すぐに私の不機嫌の原因がそこにあるって思われたのも非常に悔しかった。


私は黙っていた。



「これは日本の友達だって・・・。 おれ別に年末とか帰る気ないし、」


そして聞いてもないのに言い訳までされて。



「別に! 怒ってないし!」


私は勢いよく振り返った。


「怒ってんじゃん、」


冷静につっこまれて


「・・・・私につきあおうとか言ってたけど。 誰にでも言ってるんじゃないの? 初めっから好きだったとか言っておいてエレナとはそんなことになってるし!」


鬱積とした気持ちをぶちまけてしまった。



「え~~? そりゃあさあ・・・。 なんつーか。 絵梨沙のことが好きだけど。 でも、気持ちを受け入れてもらったわけじゃないし。 エレナのことは別に好きとかじゃないって言ったじゃん。 つきあおうなんて言わなかったし。つきあいたいと思ってたのは絵梨沙だけだよ。」


「ずいぶん女性に慣れてるってエレナも言ってたけど!」


と言うと彼は笑って


「そりゃあ、エレナも慣れてっからそんなこと言うんだって。 だって比べなかったらわかんないことじゃん。」



バカなのか利口なのかわかんなくなってくる。


よくそんなことまで頭が回る!



「日本でも、そりゃつきあってる子はいたけど。 こっち来る時別れてきたし。」


「・・・メールの彼女?」


私は腕組みをしてまるで彼に尋問するようにそう言った。


「・・・・まあ・・・。」


渋々認める彼に


「そんなメールが来るってことは。 別にキライで別れたわけじゃなくて、距離を置いたってだけみたいじゃない。 ちゃんと別れてないってことじゃない、」


私はいつからこんなに饒舌になったんだろうか。


彼を責める言葉がどんどん出てくる。



「・・・離れたら。 ダメだよ。 それにこっち来るなら日本になんの未練も残したくなかったし、」


「キライになって別れたわけじゃないなら・・・気持ちだってまだ繋がったままだわ。 そんな気持ちのままどうして私にそんなことが言えるの??」


そう問い詰めると


「おれは。 彼女より絵梨沙のほうが好きになった。 それだけだ。」


もう開き直りとも思える堂々とした発言をした。



悔しいけどドキンとした。



「・・・・絵梨沙のコンクールの時。 もう・・・ほんっとキレイだったし。 絵梨沙がピアノを弾いている姿が大好きだ。」


彼はゆっくりと私に近づいた。


何だか怖くなって後ずさりをしたけど壁にぶつかってそのまま固まった。


「ピアノを弾いてる絵梨沙も。 普段は不器用で人見知りで、男と・・いや人とのつきあいにも慣れてない絵梨沙も・・大好きだ。」


彼は私の後ろの壁に手をついた。



「絵梨沙の全部が。 すっげえかわいくって。」



そして


また拒否をする間もないほど自然に私に唇を寄せた。



あまりに素直すぎる真尋に、悔しいけど押されっぱなしで・・・


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