Ein Eindruck~感動(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼が私の持ってきたCDを聴き始めてから2時間ほどしか経っていない。



それなのに。



彼は第3楽章まで通して弾き切った。



だけど


ものすごいヘタクソだった・・・・




「・・こんな感じ??」



見事にピアノのパートだけを正確に聴き取って再現はしてたけど。




「う・・うん。 でも、時間がかかりそうね、」


正直な答えをした。


「そうそう。 そこが問題なんだよね~~~。 オケと合わせるの1月半ばくらいって言ってたけど、間に合うかな、」



こっちが心配になるほど呑気だった。



他の生徒たちがあんな風に思っていることを知っているのか、とふと思った。



「・・・あなたが思うより。 オケの中でも風当たりが強いかもしれない、」



すると彼は笑って



「そりゃあ。 おれなんかどこの馬の骨かって思われてるに決まってるじゃん。 なんであいつがって思われて当然。 でも、おれはやらないよりやった方がいいって思ったから受けただけ。 誰がなんて言おうと、やるだけやっておれのピアノを示すしかねえし、」



何も考えていないようなのに


全てをわかっているかのように。




もし私だったら周囲の誹謗中傷があったりしたら


すぐにへこたれてしまう。



彼の強さがうらやましかった。



「ただでさえ、日本人ってだけで最初からハードル高いし。 もうこれ以上追いつめられることもないよ、」



何でもないことのように笑った。




「ありがと。 CD助かった。」


彼はそれをかざした。



「あ・・・ううん、」


協力なんかとんでもないようなことを言ってしまったので少し気まずかった。



不思議に


もう彼への嫉妬は消えていた。


逆に


ピアコンが大成功すればいいって


思うようになって。



彼のピアノが聴きたい。


それだけだった。







「え? 練習室? ダメダメ。 もう今月はいっぱいだから、」



「え~~~。 なんとかなんないですかあ?」


「無理だよ。」



事務局で彼が練習室を借りる交渉をしているところに出くわした。


事務員は予定表を見もせずに適当に答えているようだったので助け船を出そうとすると



「1か月も全部埋まってるわけないじゃない。 もう一度見て、」



エレナがスッとやってきて事務員に言った。




いつの間にか絵梨沙は真尋を応援したくなる気持ちで・・


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