Ein Eindruck~感動(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

私が掃除をしている間、彼は真剣な顔で私が持ってきたCDを何度も何度も聴いていた。


それはもういつもの彼ではないくらい


真剣に入り込んでいた。



同じ箇所を


しつこいくらい何度も聴いている。



足の上で指を動かしながら。



彼は楽譜を見るのがあまり好きじゃなくて『花のワルツ』の時も私が弾くのを見て聴いて覚えている、と言った方が早かった。


音を映像で捉えているように。



前に読書の『速読』ができる人の話を聴いたことがある。


普通は文章を目で追って、頭の中で音読をして理解していくのだけど


速読ができる人は文字を『絵』として捉えて理解をしていると。



彼の暗譜の仕方を見ているとその話を思い出してしまう。



「これはどこに置いたらいいの?」


私が雑誌を手に聞いても


すぐそばにいるのに彼は全然聞こえていないようだった。


片手だった指の動きがいつの間に両手になって


音を必死に追っている。



私を部屋に招き入れても


それから一切何も話しかけてくることもなかった。



ただ


ただひたすらに


CDをくり返し聴くだけだった。




「・・・あの。 簡単だけど・・パスタを、」


私がキッチンで料理をしていたことも、もちろん気づいていなかったようなのだが



その匂いにハッとしたようだった。



「えっ! メシまで作ってくれたの!?」



ようやく言葉を発した。



「・・掃除も、してみたんだけど・・・」


遠慮がちに言うと、



「わっ! ほんとだ! スゲーきれいになってる!!」



普通なら


ウソでしょ?


とつっこみたくなるけど


彼の場合は本当に気づいていなかった可能性もあるので、ひきつって笑うしかなかった。





彼はまたもガツガツとものすごい速さでパスタを食べ終えたかと思うと



「ねえ、ちょっと聴いて。」



とピアノの前に座った。



ふうっと息をついて鍵盤に指を落とした。




凡人離れした集中力の持ち主の真尋。 そして・・・

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