Ein Eindruck~感動(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

部屋に戻るとかすかに隣からピアノの音が聞こえてきた。



珍しく彼が部屋で練習をしている。



その『ラフマの2番』は


あまりにたどたどしく。



あと2ヶ月でどれだけ仕上がるのだろうか、と心配になるほどだった。



『彼のラフマニノフを聴いてみたいねえ、』



父の言葉を思い出す。



私も


同じように思っていた。




「え、なに? どーしたの?」


彼の部屋を思い切って訪ねた。


「・・これ、」


私は2枚のCDを差し出した。


「え?」


「・・どちらも有名なピアニストの演奏よ。 『ラフマの2番』の。 あなたは耳で聴いた方が早いみたいだから、」



彼は少しびっくりしてそのCDを受け取った。


「あ、サンキュ・・・」


「店で練習しないの? 珍しいわね、」


「ああ・・・。 これ仕上げるまで週に2日にして欲しいってマスターに頼んじゃったから。 いくらなんでもピアノだけ貸してなんて悪いし、」



神妙に言う彼が


おかしくなって



「あなたでも一応気を遣うのね、」



と言ってしまった。



「え? おれ、気配りが服着て歩いてるって思わなかった?」



いつもの彼に戻って笑っていた。



「なんもないけど。 上がる?」


さりげなくそう言われて


私は何の抵抗もなく小さく頷いた。







・・・にしても!


きったない部屋・・・・



なりゆきで部屋に上がったことをすごくすごく後悔した。



「ちょっと・・・・何この汚さ・・・」



「え? そお? これでもいつもより片付いてんだけど。」



ピアノの上にももう物がいっぱいで、床にもいろんなものが散乱していた。



「テキトーに座って。」


そう言われたけど、ソファの上にも服やらなにやらがいっぱいで



「こんなとこ座る気にならないわよ、」



思わず片付けはじめてしまった。



「そんなのいいからさー。 一緒にCD聴こうよ、」


「よくないわよ!」


何でこんなことをしなくてはならないのか、と思いながら私は掃除を始めてしまった。




さりげなく『母性本能』をくすぐってる気もします・・(*^o^*)

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