Ein Eindruck~感動(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「は? おれが??」


ようやく彼は事態を把握したようだった。



「もうフェルナンドさんにも了承を取ってあるし。 ピアノコンチェルトでのピアニストを探していたんだよ。 たくさん候補はいたけど・・・・。 昨日のきみのピアノを聴いて。 きみにお願いしたいと思った、」



マエストロ自らがこんなことをわざわざ言いに・・・



私はそこに驚いた。



「えー・・・急に言われても・・。 おれ、いっそがしいんですよね~~~、」



この申し出になんてリアクション!



私はまた驚いた。



「ま、でも。 おもしろそうだから。 やります。」



そして軽く受けた時の答えがコレだった・・・・・。




この音楽院には才能あるピアニストたちがたくさんいる。


その中に自分もいると思っていた。



マエストロ・シモンはその中から彼を選んだ。



まだここに留学してきて2カ月ほどしか経っていないこの無名の日本人の生徒を。




私は少なからずショックを受けた。



「・・・って返事しちゃったけど。 いいのかな~~~、おれで。」



マエストロと別れてからもまだ他人ごとのようにそんなことを言っている。



「創立祭のイベントとはいえ。 マエストロが振るのよ。 いやでも注目されるわ。 今さら後悔したって、」


私は少し意地悪く言ってしまったけど、彼には全く通じておらず



「まあ受けちゃったし、しょーがねーか。」



創立祭でのコンサートのオーケストラは


各科の優秀成績者が集められる、プロにも負けないものだ。


そんな中でこの人がどうやってやっていくのか


だんだんと心配になってくる自分もいた。






「えっ・・・コレ??」



彼がその楽曲の譜面を父から手渡されたのは翌日のことだったという。


ランチタイムにカフェでサンドイッチを食べていた私のところに彼がやってきてそれを見せた。



楽曲は


『ラフマニノフピアノ協奏曲第2番』


あまりにも


有名で


そして


難易度も高いものだった。




「おれ1回もやったことないんだよな~~~。 すげー難しそう・・・」


さすがに後悔をしているようだった。



ピアニストとしてはあまり手が大きくない私にとってラフマニノフの楽曲はあまりなじみがないものだったが


手が大きくて指が長い彼には非常に合っている気がした。



「もう受けちゃったんだから。 やるしかないじゃない、」



そう言うと



「絵梨沙も協力してくれない?」



彼は何気なく言ったのだろうが


私はその一言にキレてしまった。



「・・私は関係ないし。 創立祭のコンサートに出ることはこれ以上ない名誉なのよ。 誰だってあなたのポジションが欲しいに違いないわ。 それを手に入れたあなたが私にどんな気持ちでそんなことを言うの?? 私だってマエストロ・シモンと競演したいって思ってた!」



あまりの私の怒りように


彼は黙り込んでしまった。



そして小さな声で



「・・ごめん、」



ポツリとそう言った。


何も考えていない真尋に絵梨沙はまたもキレてしまい・・・


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