Ein Eindruck~感動(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「も~~~、そんな怒んなよ~~~、」



翌日も彼は私につきまとった。



「フェルナンド先生もすっごい良かったって、ホメてくれたんだよ。 やっぱ絵梨沙みたいに上手い人間と弾くとおれも引っ張られるってゆーかさあ、」




練習まで一度も合うことがなかったのに


本番であれだけの演奏をしてきた彼は本当にすごいと思うけど。




『ごめんごめん。 ひょっとして、処女だった??』




ああいうことをズケズケと言ってくる神経は本当に腹立たしかった。




私は立ち止まって、彼を睨みつけるように


「・・・もう試験は終わったんだから。 私は関係ないでしょ。」


そう言うと



「そんな冷たいこと言わないでさあ・・・。 うまくいったお祝いに。 今日夜メシ食ってかない?」




『自然に入り込んでくるところもうまいのよね、』




エレナの言葉を思い出してしまった。



「・・他の女性とどうぞ、」



冷たく言って立ち去ろうとすると




「・・・マサヒロ・ホクトだね?」


後ろから声を掛けられて私も振り向いた。



その人は


音楽院の特別講師を勤める世界的指揮者シモン・クルシュだった。



「えっ・・・」


私は驚いていたが彼は



「そーだけど・・・」


普通に応対していた。



「昨日の彼女とのピアノデュオ、見ていたよ。 素晴らしかったね、」



彼は和やかにそう言った。



「あ・・どーも・・・。 で。 どちらさま?」


大真面目にそう言ったので


「もう! マエストロ・シモンじゃない! 知らないの??」


思わず日本語で注意した。



「シモン???」


「今はパリのオルフェス交響団の常任指揮者をしてて。 ウチの学校に半年間特別講師でいらしているのよ、」



そんなことも知らないの???



と言いたかった。



「へー・・・。エラいんだあ・・・」


彼はやっぱり心ココにあらずの感心をした。



そんなことには構わずマエストロは



「突然だけど。 来年の1月にこの音楽祭の創立祭がある。 そこで学生たちのオケの演奏会をするんだが・・・。 ピアノコンチェルトも考えている。 それをね。 きみにお願いできないだろうかって、」




マエストロの申し出はあっさり言ったわりに、スゴいことだった。



「え?? なに? も一回言って? おれ、早口で言われっとまだよくわかんね~~、」


それなのに彼は暢気だった。



私はイラっとして


「だから! あなたに創立祭のオケのコンチェルトを頼みたいって!」



思わず通訳をしてしまった。




真尋の才能に気づいた人間がもうひとり・・・


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