Es glitzert~きらめき(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

せっかく練習室を押さえてもムダだったようだった。



とにかく。


彼は出だしからトチリっぱななしだった。


全く前に進まない。



「・・ちょっと。 ちゃんと自分のパート練習してきたの!?」


思わず声を荒げてしまった。


二人で練習するという前提ならば、せめて自分の所はカンペキにしてきて当然。


しかし彼は自分のパートさえおぼつかなく、併せて練習する意味がなかった。



「・・だからさ・・・バイトで帰って来たのが2時・・・」



まだそんなことを言っていたので



「・・自分のノルマくらいちゃんとしてきなさいよ。 一緒にやってても意味ないし、」



もう


やる気が一気に失せて、帰り支度を始めた。



まだやり始めて20分も経っていなかった。



「え~~? なんで?」



私の気持ちが少しもわかっていない彼に心底イラつき



あのピアノバーで聴いた彼のピアノなんか


夢だったんじゃないか、と自分を疑うほどだった。





住んでいるアパートは音楽院生徒専用のようで、古いけれど防音はバッチリだった。


わりと遅くまでピアノを弾いても大丈夫なのが安心できる。



夜中12時ごろ、休もうかとキッチンで水を飲んでいると


隣のドアの鍵を開ける音が聞こえた。



今日も


バイトだったのかしら・・・。



少しだけ気になった。



しばらくして


かすかにピアノの音が聞こえてきた。



『花のワルツ』


だった。




練習・・してる?



思わず壁に耳をつけてしまった。



気になって


眠るのが遅くなってしまった。






「ああ、絵梨沙。 どうしたの? 今日は。」


夕方


学校から戻る途中、『Ballade』に寄った。



「こんにちわ。 お店、まだ開いてないんですね。」


「まだ5時だからね。 開くのは7時過ぎだよ、」


フランツはテーブルを拭きながら言った。


「そういえば。 この前のコンクール。 優勝おめでとう。 マークがすぐにやってきて自慢をしていったよ、」


「・・もう。 パパったら、」


「絵梨沙のことはずっと気にしていたからね。 離れて住んでいても。」



ひとつ小さなため息をついた後、



「今日は・・・彼は、」



店の隅においてあるピアノを見て言った。



「彼?」



聞き返されて


なんだか意識をして恥ずかしくなってきた。



真面目に練習さえもしてこない真尋。 絵梨沙は気になって『Ballade』へと向かいましたが・・・


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