「いっぱいやりたいコトあったし。 友達と色んなトコ行って遊んだり。 野球ばっかめちゃくちゃやったり。 一番好きなことでお金稼ぐってけっこうキツいよな。 ピアノはおれにとって一番好きってわけじゃないけど、一番大事かなって思う。 野球辞めたとたん、なんかそんな風に思っちゃって。」
そっぽを向いたまま
そんな話を続けた。
「おれは勉強なんか全然できなかったし。 もう体張って仕事やるっきゃないじゃん?」
少しだけ
いつも粗暴っぷりだけが目立っていた彼の『ほんとう』が見れた気がした。
・・・・気がした。
「んで。 おれ、ほんっと曲仕上げるの時間かかるから・・・今晩、絵梨沙んとこ行っていい?」
思わず『ウン』とうなずいてしまいそうなほど、自然に大胆なことを言ってきた。
「はあ????」
大きな声を出してしまい、思わず辺りを気にした。
彼はそんな私の姿を見て、大笑いをした。
「ほんっと真面目~~~。 つられて『ウン』って言うと思ったんだけどな~~~。」
ちょっとだけ絆された気持ちを返して欲しいくらい腹立たしかった。
勢いよく立ち上がり
「・・・明日から練習室借りるから! ちゃんとやってきてよ!!」
楽譜を叩きつけるようにして彼に手渡した。
ピアノはおれにとって一番好きってわけじゃないけど、一番大事かなって思う。
あの言葉が繰り返し頭をいったりきたりする。
私は何のためにピアノを続けているんだろう。
迷いたくなるほど
新鮮な言葉だった。
が。
「あ~~、ゴメンゴメン。 遅れた~~。」
練習室を押さえておいたのに、いきなり初回から30分も遅刻された。
「時間がなくなっちゃうじゃない! 何やってたの??」
「テラスでボーっとしてたら、いつの間に寝てたみたい、」
シレっとして言われて
ね・・・寝てたって
何???
もう怒りを通り越して呆れた。
「昨日もバイトだったから・・・。 寝たの3時だもん。 マスターが週3だったのを週4にしてくれってゆーから、」
と、またアクビをした。
「・・・それで、学校で寝てたら本末転倒でしょ、」
と言うと
「難しい言葉知ってるね~~~。 『ほんまつてんとう』ってナニ?」
もう
バカバカしくてまともに答える気にならなかった。
「・・・早く。 時間ないから、」
楽譜を広げた。
・・あいかわらずの真尋でしたが・・・ヽ(;´ω`)ノ
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