Es glitzert~きらめき(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

父に呼ばれてレッスン室に行くと


何故か彼がいた。




「・・・・なに?」


怪訝な顔で父に聞くと



「絵梨沙は室内楽の試験のパートナー、もう決めたの?」


父はピアノのふたを閉めた上で何やら書きものをしながら言った。



「え・・まだだけど・・・、」



実際


コンクールでの評判を聞いた人たちから数人申し込みがあったが、自分的にピンとこなかったので保留になっていた。



「なら。 彼と組んでピアノデュオをやりなさい。 特に楽器の指定はないし、」



父は思いっきりの笑顔でそう言った。



「えっ!!!!」



びっくりした。



「きっとおもしろいと思うよ、」



「だって。 パパが言うからしょうがないよね。 よろしく、」



彼はいつもの調子でふざけて笑った。



「な、なんで???」



ようやくそう言えた。



「なんでって。 いいものができると思うから。 楽しみにしているよ、」



父は私に楽譜を手渡した。



もう楽曲まで決めてるの??



『チャイコフスキー 花のワルツ』



ゴネて断ろうと思えば断れたかもしれない。


でも



断れなかった。



断らなかった。



彼のあのピアノの秘密をもっと知りたいって


少しだけ思ってしまった。





「『花のワルツ』は、弾いたことはあるの?」



このあと


不本意だったけど、学校の中にあるカフェで二人でお茶をした。



「は? ないなァ~~。 おれ、一曲仕上げるのすんげえ時間かかるけど、だいじょぶかな、」


「だいじょぶかな?じゃないわよ! やってもらわなくちゃ、私が困る!」


「まあ、頑張るけど。 フェルナンド先生も思いきるよね。 おれをここに入れたってのもスゲーなって思うけど、」


と笑った。


「でも。 コンクール、コンクールってうるせー先生じゃなくてよかった。 おれ、子供のころからたぶん先生は10人以上は変えてるし。」


「10人以上??」


「ダメなんだ。 上からモノ言ってくるみたいな先生は。 おれのやり方を変えさせようとか、もうそーゆーの大っきらいだったし。 親も困ってた。」



そう言って


頬杖をついて外を見た。


そしてこのピアノデュオが二人の運命を変えます・・・


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