Es glitzert~きらめき(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

少しだけ


宙に浮きそうだった足が地に付いた気がした。



ブラームスのワルツ第15番。



いつも家で弾いているような感覚で、気負うことなく


いい感じで力が抜けた。



今朝まで身体全体が緊張しているみたいだったのに。




『見に来ちゃった、』



なぜだか


彼の子供っぽいその言葉と


バカみたいに明るい表情を思い出した。




私は


私のピアノを弾く。




その後のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番も


今までで一番納得のいく演奏ができた。


弾き終えた時、お客さんの喝采が


ダイレクトに身体に響いて



ホッとして自然な笑顔で一礼した。




客席の中央に父と隣に彼がほほえんで拍手をしているのが見えた。





それからのことはもう慌しくてよく覚えていない。


優勝者の名前として自分が呼ばれて


舞台上で表彰をされて。



舞台を降りたらインタビューが何度も行われて、日本のメディアからも取材を受けた。




めまぐるしくて


日本のコンクールでは何度も優勝して、慣れているつもりだったけど


海外の権威あるコンクールでの優勝がこんなに騒がれるものなのかと驚いた。



私はウイーンにやってきてたった1ヶ月で


この『看板』を背負うことになってしまった。



それが良かったのか


悪かったのか。



これからどんどん運命が変わっていった。



『彼』の存在が


私の行く道を変えていって。





このことで私は注目されて、演奏会の依頼などもあったけど


父がまだ早い、とそれをセーブした。


まぐれだとは思いたくなかったけど、まだまだ私にはレッスンが必要だと言っていた。



私も音楽院での勉強が楽しかったので


しばらくは学生を本分にして頑張りたかったので


父の言うことに従った。




「ねーねー。 さっき先生が言ってたこと。 もいっぺん教えて、」



彼は相変わらずだった。



講義に出てきてもほぼ寝ているし。



「もうドイツ語もペラペラなんでしょ。 ちゃんと起きてればわかるんじゃないの?」


呆れてしまうほどだった。



「冷たいこと言うなよ~~~。 あーあ。 実技でも室内楽の課題出てるし・・・・。 パートナー探しもめんどくせえ、」


足を組んで偉そうに座った。



絵梨沙は真尋の存在のおかげ(?)かコンクールで優勝します。そして二人の関係は加速がつくように・・


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