Es glitzert~きらめき(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

本選の前夜。


珍しくあまり眠れなかった。



「何だか顔色が悪いよ、大丈夫?」


父に心配された。



「平気。 だいじょうぶよ、」


安心させようとして笑顔を見せたけど




『彼』のことが気になって仕方がないことはわかっていた。



コンクールのことを考えるだけで、何だかドキドキした。


会場に行く前から


緊張をして、食事もあまり喉に通らなかった。




こんなこと初めてで。



控え室でも他の人達から遠ざかるようにひっそりと隅の方で座っていた。



本選はソロの他にコンチェルトもある。



もうカンペキに仕上げて


することもないはずなのに。


さっきから指先ばかりが気になる。



少し落ち着こうと控え室を出た。



すると。



「あ。 もうすぐ出番?」



いきなりだったから驚いた。



彼がなぜか関係者以外立ち入り禁止のゾーンのイスに座って雑誌を読んでいたから。



「どっ・・・・どーやってここに!」



「え? ああ。 別に何も怪しまれないで入れたよ。 セキュリティ甘すぎ。」


おかしそうにアハハと笑った。



この前


すごくキツいことを言ってしまって


ものすごい自己嫌悪に陥っていた。


誰が


何のために


ピアノを弾こうが勝手なのに。


余計なことを言ってしまった気がして。



きっと彼も怒ってるだろうと思っていた。



「せっかくだから。 見に来たんだ。 絵梨沙のピアノもちゃんと聴きたかったしね、」


と、笑って立ち上がった。



何でもなかったかのように


いつもとおんなじで。



「前半も見てたんだけど。 なんだか飽きて眠くなっちゃった。」



何のために来たのよ・・・



悔しいけど


ふっと笑ってしまった。



すると


「あ! そうそう! ホント、すっげー美人なんだからさ。 やっぱ笑ってる顔が一番いいよ。 そういう顔が見たかったんだ。」



まるで


鬼の首を取ったかのように言われて


かあっと顔が赤くなったのがわかった。



「なっ・・・・」



「リラ~~ックス、リラ~ックス!!」



彼は笑って馴れ馴れしく私の肩をぽんぽんと叩いた。


とても不思議な空気を持つ真尋に絵梨沙は・・・


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